LIVへの対応が独禁法に抵触? PGAツアーに米司法省が調査のメス
グレッグ・ノーマン率いるLIVゴルフへの対応について、司法省がPGAツアーの調査に入ったことがわかった。
かねてからPGAツアーのスタンスを「独占禁止法に反する」と批判してきたノーマン。ジェイ・モナハンコミッショナーがLIVへ移籍した選手に出場停止処分を科したことで、ノーマンだけでなく移籍組の選手が法的手段に訴え始めた。
そんななか、司法省が調査に入ったとウォールストリートジャーナルやニューヨークタイムズなど大手メディアが伝え、ツアー側もそれを認めた。
ツアーは94年にもコミッショナーの許可なしに他ツアーへ出場した選手に懲戒処分を科した件で調査を受けている(このときは制裁を免れた)。
「94年にも我々はこの経験をしており、今回も当時と同様の結果が出ると自信を持っている」とツアーサイド。「司法省の調査は予想していた」と想定の範囲内であることを強調した。
LIVゴルフに参戦したことで、P・ミケルソンやD・ジョンソンら有名選手には100億円以上の契約金が支払われたと言われており、優勝賞金5億円、最下位でも1600万円超が支払われるため、それだけ稼げばツアーに戻らなくてもいいと考える選手もいるかもしれない。しかし移籍組の世界ランクは急降下しており、B・デシャンボーやB・ケプカといったメジャーチャンピオンすら今後メジャーにも出られなくなる可能性も。ちなみに移籍前後の世界ランクはミケルソンが38位から92位、DJが8位から18位、ガルシアは45位から68位、デシャンボーは9位から33位に後退している。
またPGAツアーはLIVに対抗するため、今後大きく賞金額をアップすると発表。「選手とファンの忠誠心とサポートのおかげで我々はより強くなるだろう」とモナハン氏。このままバブルは続くのか? ゴルフ界は分断するのか? 予断を許さない状況だ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月2日号より
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