Myゴルフダイジェスト

【マスターズ】「来年もまたここで会おう」中島啓太へ、松山からの粋なメッセージ

初出場となったマスターズはトータル7オーバーで惜しくも予選落ち。悔しいメジャーデビューとなった世界No.1アマチュア・中島啓太だが、その視線はすでに次を見据えていた。

PHOTO/Blue Sky Photos

初日はイーブンパーの19位タイと奮闘。2日目はボギーが先行して、スコアを伸ばせず、7オーバーで予選敗退となった。一緒に回ったバッバ・ワトソンに飛距離で勝っていた

松山が連覇を期待されていたように、“ローアマチュア”を期待されてオーガスタに挑んだ中島啓太。ナショナルチームのガレス・ジョーンズコーチが帯同し、そしてキャディには同じくナショナルチームのクレイグ・ビショップコーチ、さらに栖原弘和トレーナーもついて、万全の態勢を整えてオーガスタに挑んだ。

初日はイーブンパーと好発進したものの、2日目に7オーバーと叩いて失速。強風のなかでも耐えに耐えてゴルフをしていただけに、試合後の会見で、中島の目からは思わず涙がこぼれ出た。

「この一カ月間を通してやってきたことは完璧だと思う。まだまだ挑戦は始まったばかりなので、次は全米、全英に向けて頑張りたいいです」と中島は涙ながらに語った

「最初から辛くて、一番やっちゃいけないミスも出て。本当辛くて、(コースが)ここまで難しいんだなぁと。でもここまでやってきた準備は間違っていなかったので、本当にみんなに感謝したいです」(中島)

涙から一夜明けた土曜日、ケロっとした顔をして、会場に現れた中島。手にはグッズがいっぱい入ったショッピングバッグを抱えていた。

「姪っ子にお土産を買いました。自分の? そういえば買ってないです」

手にしてた袋には、ショップで姪っ子のために購入したという洋服やキャップ、パターカバーなどが入っていた

短パンでリラックスした姿は、もう普通の大学生。このあとは日本の試合、大学の試合、そして全米オープン、全英オープンと続くが、気持ちはすでに先の試合に向けて切り替わっているようだった。話を聞いていると、どうやら尊敬する先輩から激励の言葉をもらった様子。

「松山先輩に試合が終わってLINEをしたんです。そうしたら『来年もここで会おう』って言ってくれました」(中島)

試合後の会見で「先輩方と一緒にオーガスタに来られたのがうれしいし、チームのみんなで来られたのが一番の思い出」と言っていた中島啓太。偉大な先輩の背中を追いかけ、そして再びこの地に強くなって帰ってくることを、期待して見守っていきたい。

練習ラウンドは3人仲良く練習
月曜日の練習日は松山、金谷、中島そろい踏みで練習ラウンド。先輩を前にして控えめな後輩2人に対し、「彼らはあまりしゃべらないので、僕のほうから話しかけている感じでしたけど、気づいたことはこたえてあげたりしていました。もうちょっと会話したかったな」と松山

年明けから海外ツアーに挑戦してきた金谷は、カットラインに1打足りず予選落ち。難しい18番でバーディチャンスにつけたが、惜しくも外れてしまった

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より

こちらもチェック!

  • 4月のマスターズトーナメントに向けて日々「準備」を重ねるスーパーアマ、中島啓太。そのトレーニング現場をちょっぴり拝見。そこには世界アマチュアランキング1位の「自覚」とともに集中力マックスで練習する21歳の姿があった。 PHOTO/Hiroaki Arihara 春の気配が漂ってきた3月某日、杏文パフォーマンスセンターで。胸板が厚くなった姿に「筋肉の撮影」をお願いすると「恥ずかしいです」とはにかむのもまた、中島だ 静かなスタジオに今日も器具の音とトレーナーの掛け声と中島の荒い吐息だけが響く。「技術だけではなく、本当に心技体100%で臨まないと全部跳ね返されそうな感覚です」と話していた中島は、ゴルフの祭典を2週間後に控えて、確かにひと回り大きくなった。「とにかくたくさん食べてたくさんトレーニングをして体を大きくしてきました。最後まで体が切れるイメージを持って、力を出し切るためにトレーニングは頑張れています。順調です。体重も筋肉量も増えていて、このまま継続して試合を迎えられたらいいと思います」体重は75~76キロの間を行き来している。筋肉量も除脂肪体重が64キロくらいでいい感じ。脂肪を増やさないように体重を増やして筋量を増やしていく。その数値を共にチェックするのはトレーナーの栖原弘和氏だ。「彼は痩せやすい。体質もありますが、試合に行くとすぐに体重が落ちる。そこはしっかり気をつけています。胸筋、いいと思いますよ。バランスよく鍛えているので、ハーフパンツの上からはわかりにくいですが、お尻なんかもいい感じです。触ってみてください(笑)」 「メニューも自分のチームも信じて取り組んでいます」 ナショナルチームのヘッドトレーナーでもある栖原氏が考えたメニューで汗を流す中島。これは、コーチのガレス・ジョーンズ氏とも綿密に話し合いながら決めたものだ。この時期のスウィング改造というとリスクがありそうだが、そんなことはない。ミスやケガにつながっていた部分の使い方を細かく修正し、より安定感を求めていく。球筋からスウィングをつくるという中島。手首も積極的に使っていた。「彼は、腰痛、首痛が頻繁に出ていたので、スウィング中の動きが腰や首に負担をかけているということを話し合って、その修正を促進するようなエクササイズをしていきます。ゴルフに特化したプログラムと、腰や首周辺を鍛えるなど体自体を強くしたり柔らかくするジェネラルなプログラム、2つを組み合わせる。また、基本的にクラブがオンプレーン上を動くようにするために、体の動き、下半身や体幹、腕の動きをシンプルにしていく感じなので、手首の動きの修正もそのうちの1つです。マスターズはもちろん、大事な今年、その後にもつながっていきます」トレーニングすればゴルフが上手くなるのではなく、自分のゴルフの何を改善したくてトレーニングするかが大事だと栖原氏。「それぞれのプログラムの意味を、すべての選手に説明しながら行います」 ブルガリアンスクワットバーベルを担いで、片足ごとに下半身の曲げ伸ばしをする。「足の曲げ伸ばしの力を強くして、下半身の力を骨盤の回旋、体幹の回旋につなげていき、クラブスピードを上げていきます」(栖原) 真上と横にジャンプ! スウィングにつながる速い動きをトレーニング。真上と横で力を出す方向を変える。「バックスウィングは、骨盤を横に動かす力があって初めて回転しやすくなるので横にジャンプ、またその後の回転には上方向に力を発揮する必要があるので真上にジャンプ。両方行うんです」(栖原) 中島は、この説明にしっかり耳を傾けるという。学ぶことに貪欲だ。「中島選手は謎の落ち着き感があります(笑)。いい意味で大人です。それに、栄養士さんが『ラーメンには脂質がすごく含まれているのでよくない』と話すと、まったく食べなくしたり、生真面目というか、納得するとずっと貫くところがある。アスリートとしては大事な部分。性格は見た目のクールな感じのままですが、元気ですよ。でもヘラヘラしているよりシュッとしていてアスリートっぽいでしょう」栖原氏も夢の舞台に同行する。「初めて行くので楽しみです。でも、あちらでも、いつもとやっていることは変わらないと思います」先日、中島のもとにアマチュアディナーの招待状も届いた。「本当にワクワクしています。自分が今持っているすべてをかけられればいいかなと思います」(中島)日頃から、世界アマランク1位の「自覚」を持っていたいと言う中島に魔女もきっと微笑むはず。2週間後、オーガスタナショナルGCの1番ティーに立つため、視界は良好だ。 >>後編へつづく 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より こちらもチェック!
  • 世界アマチュアランク1位の中島啓太(21=日体大3年)が、米国大手マネジメント会社「エクセル・スポーツ・マネジメント(以下エクセル社)」と契約したというのは既報のとおりだが、そもそもエクセル社ってどんな会社? 去る1月11日、同社が公式ツイッターで「ウェルカムトゥ エクセル、ケイタ ナカジマ!」と発表。続けて、今季はマスターズ、全米&全英オープンのメジャー3大会の出場資格を持つ世界一のアマチュア選手と紹介したため、いまやアメリカのゴルフファンの間でも話題沸騰中とか。それにしてもエクセル社とは、いったいどういう会社なのだろうか。同社は、14年にプロ野球選手の田中将大とニューヨーク・ヤンキースの間で7年総額1億5500万ドル(当時約161億円)の大型契約をまとめて話題を集めたケーシー・クロース氏や、タイガー・ウッズの代理人を長年務めているマーク・スタインバーグ氏などが率いる全米有数のマネジメント会社。タイガーはじめ、C・モリカワやJ・ローズ、J・トーマスらPGAツアーを代表するビッグネームに加え、ヤンキース時代の田中将大、同じく現役時代のデレク・ジーターなど、MLB、NBA、NFLで活躍する“超”のつくビッグネームが多数所属している。所属選手が超一流なら、テレビなどのメディアや広告代理店なども同社の意向を無視できず、それがさまざまな分野に大きな影響力を持つ背景になっていることは想像に難くないだろう。現にエクセル社は“エクセルメディア”という部門を新たに立ち上げ、すでにESPNなどで契約アスリートのドキュメンタリー番組も放映されている。エクセル社はタイガー・ウッズ財団とも深い関係があり、一説には、契約選手の選定にタイガーも関わっているとか。もしそれが事実だとしたら、中島啓太は実力と将来性においてタイガーのお墨付きを得たと言える。 海外志向の強い中島にとっても良い契約となったはず(PHOTO/Tadashi Anezaki) 週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より こちらもチェック!