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「ただただPGAツアーで戦いたくて…」絶好調シェフラー、今季3勝目で世界ランク1位に

「WGCデルマッチプレー」でスコッティ・シェフラーが優勝し、世界ランク1位に浮上した。

準決勝で17年の大会覇者D・ジョンソンを下し、決勝戦では19年のチャンピオン、K・キズナーを一蹴。終始相手をリードする横綱相撲で勝利した25歳は、「この感情をどう表現していいのかわからない」と男泣き。

大会の舞台オースティンCC(テキサス州)は、テキサス生まれのテキサス育ち、テキサス大出身の彼にとって慣れ親しんだ、まさに地元。優勝が決まった瞬間、応援に駆けつけた家族や友人と次々にハグ。「皆に支えられてここにいる。家族の前で勝てたことは本当にクール」と頬を濡らす涙を大きな手でぬぐいながら、勝利者インタビューで声を詰まらせた。

昨年は決勝まで進みながらB・ホーシェルに敗れ、準優勝に終わったが、1年後にリベンジを果たしたことになる。

直近の5試合で3勝。つい6週間前まで未勝利だった彼が、フェニックスオープンで昨季の年間王者P・カントレーをプレーオフで破り、念願の初優勝を飾ると、アーノルド・パーマー招待でも優勝。そして今回世界のトップ64名が一堂に会したWGCでシーズン3勝目一番乗りを果たした。しかも、J・ラームがB・ケプカに敗れトップ8入りを逃したため、シェフラーが4人抜きで世界ランク1位に浮上。

「まだ実感がない。1位になっても僕は変わらないよ。勝てなかった頃とずっと一緒。ただただPGAツアーで戦いたくてプロを夢見て前だけを見てきた」

決勝マッチで敗れたキズナーは言う。

「スコッティは、おそらく今地球上で最高のゴルフをしているプレーヤー。完全に脱帽だよ。こういうプレーができているときを存分に楽しんでもらいたい」

優勝賞金210万ドル(約2億5500万円)を加え、過去42日で620万ドル(7億5000万円強)を稼ぎ出した男は、今シーズン間違いなく台風の目だ。

「この数カ月はクレージー!」と満面の笑み。勢いはまだまだ続きそうだ

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より]

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  • 鋭い視点とマニアックな解説でお馴染みの目利きプロ・佐藤信人が、いま注目しているプレーヤーについて熱く語る連載「うの目、たかの目、さとうの目」。今週の注目選手はここ2カ月で3勝を挙げ、一気に世界ランク1位まで上り詰めたスコッティ・シェフラー。 PHOTO/KJR 第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権終了時点で、ワールドランク上位5位までを20代の選手が独占。これは制度が始まって以来、初めてのことだそうです。そして自己最高の5位にいるのが、25歳のスコッティ・シェフラー(このあとWGCを制し世界ランク1位に)。テキサス大3年のときに全米オープンでローアマに輝くと、翌18年にプロ転向。下部のコーンフェリーツアーで2勝をマークし、賞金ランク1位でPGAツアーに昇格。19年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、20年には全米プロで優勝争いを演じ、プレーオフシリーズ初戦のザ・ノーザントラストで、史上11人目の50台(59)を叩き出しました。21年にはライダーカップに選ばれジョン・ラームに4&3と圧勝しました。ところがこれだけの成績を挙げながら「なんで勝てないの?」と不思議がられる選手でもありました。それが今年2月、フェニックスオープンでパトリック・カントレーとのプレーオフを制して念願の初優勝。さらに3週間後のアーノルド・パーマー招待でも2勝目を飾り、フェデックスポイントでも1位に。なかなか勝てなかった強い選手が1勝すると、一気にゲートが開いて……というパターンはデビッド・デュバル、ジャスティン・ローズ、ジミー・ウォーカーらが思い浮かびます。いずれもメジャーチャンピオンだけに、シェフラーにはさらなる活躍が期待されます。ジュニア時代は136戦90勝という天才少年。そのゴルフもさることながら、注目したいのはキャディのテッド・スコットの存在です。テッドは昨年までバッバ・ワトソンのキャディで、2度のマスターズチャンピオンに導きました。何より、バッバのワガママな性格に付き合えるのはテッドしかいない、がツアーでの評価でした。しかし昨シーズンのプレーオフシリーズ後、そのコンビ解消が発表され、そのタイミングですぐシェフラーからオファーをかけます。2人は「バイブルスタディ」、クリスチャンで聖書を熱心に研究する会の仲間だったそう。また昨年のダブルス戦のチューリッヒではバッバと組み、隣でテッドの仕事ぶりも見ていたのでしょう。テッドはジュニアティーチングの世界に進むつもりだったようですが、悩んだ末に奥さんの助言で申し出を受けたそうです。よき相棒との出会いのタイミングをつかむのも運ですし、信じるものが通じると強い。ポジティブで穏やか、でも堅くない雰囲気も通じる2人です。2勝目を挙げたパーマー招待で、ボクはスタジオ解説をしていましたが、会場のベイヒルはラフが深いうえに、日を追ってグリーンは硬くなり、おまけに最終日は風も吹く超タフなセッティング。多くの選手が苛立ちを隠せずにいるなか、明らかに他とは違う雰囲気で終始穏やかに淡々とラウンドしていた2人。昨年は全米プロ、全米オープン、全英オープンでトップ10フィニッシュをしているシェフラー。そこにキャディのテッドの経験が加われば……マスターズでの期待が高まります。 「飛ぶし小技も上手く穴がないゴルフが特徴。テキサス出身の選手は低いボールを打つ選手が多いが、ハイフィニッシュをとって高いボールも打てる。今風の“ダウンから左手が掌屈”“左足がズレる”スウィングではなく、逆に右足が少しズレるノーマンのような独特なスウィングです」 佐藤信人 さとう・のぶひと。1970年生まれ、千葉出身。ツアー9勝。海外経験も豊富。現在はテレビなどで解説者としても活躍中 週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より 「さとうの目」バックナンバー こちらもチェック!