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【PGAツアーHOTLINE】Vol.24 トニー・フィナウ「スライス克服法」

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。第24回のテーマはトニー・フィナウの“スライス克服法”について。

ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Tadashi Anezaki

ビッグスライスからパワーフェードへ

愛嬌たっぷりで人を引きつける魅力のあるトニー・フィナウは、ツアーの人気者です。

飛び抜けた身体能力と体格でデビュー以来ドライビングディスタンストップ10を外さない飛距離を誇っていますが、問題は方向性。飛ばせば飛ばすほど球は曲がりやすいけれど、フィナウは右のラフに外す確率がとても高いのです。

2014-15年シーズン、彼が右のラフに外した確率は19.64%。およそ5回に1回右のラフに打ち込んでいる計算になります。彼よりも多く右ラフにつかまった選手はツアーでたった5人しかいませんでした。その傾向は続き、昨シーズンも右ラフの確率が19.98%。16年に初優勝してから勝てずにいた理由はこの数字、つまりティーショットのビッグスライスにあったといって過言ではありません。

「デビューして以来、僕が抱えていた一番の問題はオープンフェース。フェースが開いて当たるから大きく右に曲がるスライスしか打てなかった」と本人。

そこにはオープンフェースにならざるを得ない物理的な理由があったそうです。


「1つ目がウィークグリップ。2つ目が右前腕を高く構え過ぎていたこと。そのアドレスからインパクトでフェースをスクエアに戻そうとして、フェースが開いてビッグスライスになってしまった。ツアーの上位でプレーするにはこの弱点を克服する必要があるとずっと前から思っていたんだ」

そこで長年のコーチであるボイド・サマーヘイズ氏とスウィング改造に取り組んだフィナウ。最初のステップは実にシンプルなものでした。

ウィークグリップからスクエアグリップへの変換。

以前の彼はやや大げさにいえば左手の甲が地面を向くほどのウィークグリップで、右手も下からではなく上から握っていたといいます。それを自分から見て左手が2ナックルほど見えるくらいまでストロングにし、右手を下から添えて構えることで、「右前腕が持ち上がらずスクエアな状態で構えることができる」というわけです。

ビッグスライスからパワーフェードへの改造はさらに何段階かステップがあるのですがそれは次回ご紹介します。

コーリー・ヨシムラ

PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より

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