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【スウィング研究】ジョーダン・スピース「“レイドオフ”のフラットなトップから確実に球をつかまえる」

2月のAT&Tペブルビーチで2位に入るなど、マスターズに向けて徐々に調子を上げているジョーダン・スピース。完全復活に向け、進化を遂げている実力者のスウィングを内藤雄士が解説。

PHOTO/Blue Sky Photos

ジョーダン・スピース
28歳、米国出身。PGAツアー12勝。世界アマランク1位になった2012年にテキサス大学を中退してプロ転向。翌年に初優勝、メジャー3勝。昨年のバレロテキサスOPで4年ぶりに優勝

解説/内藤雄士

ティーチングプロ。日大在学中に米国留学しゴルフ理論を学び、プロコーチとして丸山茂樹など多くのプロをサポート。高井戸ハイランドセンターでラーニングゴルフクラブを設立、ゴルフ指導と分析家として活躍

フラット軌道で球をつかまえる

長年のコーチ、キャメロン・マコーミックに加えて、ブッチ・ハーモンの意見を取り入れるなどブラッシュアップを図ってきたジョーダン・スピース。

以前は高いトップからスティープなダウンスウィングでフェードを打っていましたが、球がつかまらず右にふかすことがありました。今はトップでレイドオフの体勢を作り、フラットに下ろします。トップで左肩が高くなっていることからも、フラットな軌道を意識していることが読み取れます。ダウンスウィングではヘッド・ビハインド・ザ・ボールを強めて、インサイドから球をつかまえています。左利きで体が左に流れやすいので、右足に体重が残る動きを入れているのだと思います。


2月のジェネシス招待のプレーを見た時は、飛んでいる反面、曲がりも大きかった。もともとドライバーは得意ではないとはいえ、完成度はまだまだ道半ばといえるでしょう。でも、ショートゲームではリビエラの硬いグリーンに他の選手が手こずるなか、ビシバシ止めていました。昔のタイガーもそうですが、スウィングを変えると入射角が変わってショートゲームが悪くなる傾向がありますが、スピースの場合はむしろ威力を増しています。目指す方向は合っているはず。

今のドライバー、タイトリストTSi3について、「何年かぶりに本当にいいギアに出合えた」と感触がいいようですし、完全復活に期待です。

【Point1】フラットな“レイドオフ”トップ
以前と比べてトップの手元の位置が低くなり、後方から見て飛球線よりもシャフトが左を向くレイドオフに。球をつかまえる体勢ができあがっている

【Point2】ヘッド・ビハインド・ザ・ボールを徹底
利き手が左のスピースはダウンスウィングで体が左に流れやすい。それを防ぐために頭を右サイドに残して、インサイドからシャローに振っていく

【Point3】左腕リードのハンドファーストインパクト
左利きのスピースらしい左腕リードのハンドファーストインパクト。ここは以前から変わらない長所

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号より