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「ゴルフを通して得たものを将来に生かしてほしい」古閑美保がジュニアカップを主催した理由

「小平智・古閑美保ジュニアカップ」関東大会が2月23日に茨城県のサザンヤードCCで開催された。男女中高生66名が冬晴れのなか熱い戦いを繰り広げた。 

PHOTO/Shinji Osawa

ジュニアゴルファーへ――。「若い頃にしか磨けない感性があるので、もっと自由に奔放に(笑)。子どもの才能は無限で、皆天才なので、型にはめすぎるとその才能は消されてしまいます」

初の夫婦イベントに関して、古閑は、「2人でやるから意味があります。2人ともプロゴルファーとして名がある(笑)。私たちができることはゴルフを通じてだけ。行動することで、自分たちをつくり上げてくれたゴルフへの感謝にもなると思うんです」

夫・小平智はPGAツアー参戦の真っ最中。今年は下部ツアーのコーン・フェリーツアーが主戦場になる。

「彼は帰ってくる気はゼロ。チャレンジ精神がいちばんすごい。一度世界を見ると、レベルや雰囲気の違いに興奮するし、モチベーションがやっぱり違うみたい。PGAツアーは見ていても本当に楽しい。“化け物”だらけです」と嬉しそうに語る妻・古閑美保は、だからこそ、ジュニアたちには多くの経験をしてほしいと語る。

「本大会の5月の全国大会のメダリストを全米ジュニアの予選会に招待します。海外でもいろいろな経験をしてほしい。プロになってもならなくても、ゴルフを通して得たものを将来に生かしてほしいんです」

古閑の目に、今のジュニアはどう映るのだろうか。「カートに乗っているのにびっくり。私たちの頃は担いで走っていましたから(笑)。クラブの進化もあって飛ぶし、距離計測器もあるしルーティンもプロみたい。全体的に上手い子が多くてレベルが高い。皆に勝利のチャンスがある」

今週開幕する女子ツアーの後輩たちへ――。「稲見萌寧が絶対的に強かったり、そこに小祝さくらが挑んだり、原英莉花が綺麗だったり、ベテランの上田桃子が頑張ったり、昨年も構図として面白かったです。稲見の存在はやっぱりすごい。私の若い頃よりふてぶてしい女子、初めて見ましたよ(笑)。絶対私より強いですけれど。今年もニューヒロインがどんどん出てきそうな雰囲気だし、ジュニアと一緒で、全体的にレベルは上がっているんだけど、絶対的に強い人が数人いて、でもすっと入り込める隙もある。今年も楽しみです」

「ゴルフを通じた経験を、将来に生かしてほしい」

今大会上位者の「小平智選抜」。5月上旬の全国大会で、昨秋九州大会で選ばれた「古閑美保選抜」と戦い、優勝者は全米ジュニアの予選会に招待する。今後も開催地域を広げ、初めてクラブを握る子ども向けイベントにも取り組みたいという。「スポーツ選手はいつか現役の終わりがくる。そのときに10回、15回と大会が重ねられていたらと思います」

「智はゴルフが上手くなりたい気持ちだけでやっています」

小平がリモートでご挨拶。小平のすごさについて、「ゴルフが上手くなりたいという気持ちだけでやっている。練習したらすぐに結果が出るわけでもないし、調子がよくても結果が出ないことも多いけど、ひたむきです。移動なんかはますます大変そうですよ。でも、今やりたいことを我慢せずやってほしい。家族や環境でやめる判断はしてほしくないんです」

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より

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