完全復活間近? 腰痛を克服したジェイソン・デイがファーマーズで久々の優勝争い
元世界ランクナンバー1のジェイソン・デイが、「ファーマーズインシュランスオープン」で久々に優勝争いを演じた。大会前の同ランクは129位。どん底を味わった男の完全復活は、もう間もなくのようだ。
全米オープンの舞台でもあるサンディエゴのトーリーパインズGCで、デイが躍動。トップタイで迎えた最終日、14番パー4では、残り119ヤードをウェッジで直接カップに沈めるスーパーイーグル。最終的には首位と1打差の3位タイに終わったものの、久々の優勝争いに手ごたえを感じた様子。
15年の全米プロでJ・スピースを下し、メジャー初優勝を飾ったデイの存在感は圧倒的だった。スピースに「メジャーを7、8勝している選手の勝ち方」と言わしめ、松山英樹はデイとプレーし「差を痛感した」と語ったもの。
しかし18年のウェルズファーゴ選手権でツアー12勝目を挙げてから、パッタリと勝利は途切れた。持病の腰痛が悪化し思うようにクラブが振れず、毎日2時間練習して培った武器ともいえるパッティングは30分が限界。
腰痛の先輩タイガーに腰に負担がかからないスウィングを教わったりもしたが、低迷は続き、昨年クリス・コモの指導を仰いで本格的なスウィング改造に取り組み始めた。
「勝てなかった3、4年をひと言でいうならストレスの塊だった」とデイ。19年は腰痛のせいで、たびたび試合を棄権。その年タイガーが優勝したマスターズでは痛み止めの注射を打ちながら、奇跡的に5位に入った。
「今は負担がかからない動きに取り組んでいる最中。ドローからフェードに球筋も変えた。改造の成果を実感したのはこの大会が2回目。体に痛みがない状態でプレーするのは久しぶりだね」
優勝は逃したが達成感をにじませたデイ。ベテラン感が強いがまだ34歳。優勝したルーク・リストより3つも若い。ゴルフ人生の第2章はこれからだ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より
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