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「性別に関係なく好きなティーからプレーできる」“ジェンダーフリー”ティーがイギリスで流行の兆し

KEYWORD イギリス

『ジェンダーフリー』が叫ばれる昨今、イギリスでは、女性専用のティーイングエリア、いわゆる「レディースティー」という概念が疑問視され始めている。

現在はまだ30コース前後という話だが、イギリスではレディスティーをなくす動きが出てきており、これが2022年のトレンドになる可能性を秘めているとか。

たとえば、ロンドンの北30kmに位置する「ザ・ハートフォードシャーG&CC」では、伝統的なレディスティーよりもさらに短いティーを含めて、5つのティーイングエリアを用意し、性別に関係なく飛距離や技量に応じて、どのティーも選ぶことができるようにしている。

「気楽にゴルフが楽しめることがすべてなんだ。ゴルフをする人々を増やすためにもなる。ビギナーもそこそこ良いスコアを出して楽しみ、それから徐々に距離の長いティーに挑戦してゆけばよいのではないだろうか」とは、同クラブのポール・カニングハムゴルフディレクター。

たしかに初心者がいきなりレギュラーティーでプレーするには負担が大きいし、ボギーやダボ、トリプルボギーが続けば、せっかく始めたゴルフもやめたくなるかもしれない。

ケンブリッジ近郊の「シェリンガムGC」も同様のジェンダーフリーティーを設定し、「素晴らしい成功を収めている。特にシニアや女性が、より短いコースでプレーできる機会を得て、スコアも出ると喜んでいる」と同コース支配人。なかにはティーによってコースレートを明確にし、試合(ハンディキャップ戦)もできるようにしているところもあるとか。

コロナ禍以降ゴルフ人口が急増しているイギリスで、初心者やプレーを諦めていたシニアなどを取り込むためにも、自由に選べるティーは大きなトレンドになりそうだ。

性別によってではなく、シンプルに技量や飛距離に応じてティーが選べるようになれば、ビギナーもより始めやすくなるだろう(PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年1月4日号より

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