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【ゴルフ初物語】Vol.66 超難関! 日本シリーズ18番で史上初のホールインワンを達成したのは?

その年のトーナメント優勝者や賞金ランク上位者など、30名しか出場できないエリートフィールド「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が今週、東京よみうりCCで開催される。

井上誠一設計で1964年に開場した東京よみうりCC。18番は224ヤードのパー3で、グリーンは奥行25メートル、幅18メートルと小さい。さらに奥から手前へ7%の傾斜がつけられており、幾度となくドラマが生まれてきた

コロンビア人がエースを達成

1963年に始まった第1回日本シリーズ。当初は日本オープン、日本プロ、関東オープン、関西オープン、関東プロ、関西プロの公式戦6競技の優勝者のみで争われ、前半が大阪のよみうりCC、後半が千葉の紫CCすみれコースで行われ、翌年から後半の舞台を東京よみうりCCに移した。そして91年から94年までは東京、大阪の交互で開催し、95年から東京よみうりCCに会場が固定されている。

98年の第35回からJTが特別協賛となり、大会名が現在と同じ「ゴルフ日本シリーズJTカップ」となる。だがこの年は初日から天候に恵まれず、降っていた雨が夜には雪に変わり、翌朝はあたり一面の銀世界。幸いにも雪が凍るほど気温が下がらなかったため、スタッフ総出の除雪作業により2日目は2時間半遅れでスタート。無事に全選手がホールアウトできた。

そして3日目も雨。だが、そのときは訪れた。難攻不落の18番、224ヤードのパー3。17位タイでスタートしたコロンビア出身のエドアルド・エレラがホールインワンを達成したのだ。エレラは87年に日本のプロテストに合格。この年の3月にはダイドードリンコ静岡オープンで4勝目を挙げていた。ホールインワンボールにサインを入れてギャラリーにプレゼントしたエレラ。賞金220万円と「桃の天然水」1年分を手に入れた。試合は宮本勝昌が日本シリーズ史上9人目の初出場初優勝。しかも尾崎将司を相手にプレーオフ4ホールを戦ったうえでの勝利だった。敗れはしたが当時52歳の尾崎は5年連続賞金王に輝いている。

今年の日本シリーズでも18番にはホールインワン賞が設定されており、達成者には賞金200万円とテーブルマークの冷凍「さぬきうどん」1年分が贈られる。

ホールインワンボールにサインをしてギャラリーにプレゼントしたエレラ。賞金220万円を手にした。

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より