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稲見、小祝、高橋彩華。「日本女子オープン」はショットメーカーに注目!【スウィング解説あり】

54回目を迎える日本女子オープン。舞台は5年前に同大会が行われた烏山城カントリークラブ。若手、ベテラン、誰が勝っても不思議じゃない女子ツアーで“日本一”の座に輝くのは――

PHOTO/Takanori Miki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa ILLUST/ Takanori Ogura THANKS/烏山城CC

日本女子オープン
2021年9月30日~10月3日
烏山城カントリークラブ

アイアンの精度が優勝へのガギ

賞金女王へと続く大一番のメジャー大会「日本女子オープン」。毎年多くのドラマが生まれてきたが、今大会は誰が勝つのか? 塩谷育代プロに予想してもらった。

「今大会は、グリーン周りに多くの“ワナ”が待ち受けるコース。だからこそ、アイアンでピンポイントに狙える精度が重要になります。そう考えると、本命はやっぱり稲見萌寧。アイアンの精度が高いうえに、勢いもある。総合的に見て本命からは外せない選手ですね。もう1人、注目なのは、高橋彩華。優勝こそありませんが、パーオン率1位という実力の持ち主。最終日のプレッシャーに勝てれば優勝もありえますね」

KEY HOLE 1
17番・490Y・Par4

ロングショットで池越え&砲台グリーンを狙う

通常は490ヤードのパー5として使われるホールだが、試合ではパー4として使用。打ち下ろしだが、セカンドは池越え&砲台グリーン。長い番手での精度が試される

KEY HOLE 2
18番・363Y・Par4

ティーショット、セカンドともに最後まで気が抜けない

5年前に行われたときよりも距離を延ばし、より戦略性を高めた。フェアウェイ右サイドにはアゴの高いバンカー、左サイドは長い池が待ち構える。傾斜の強い2段グリーンがセカンドショットの精度を試す

注目はアイアン巧者の3人

アイアンの精度が鍵を握る今年の日本女子オープン。そこで、優勝候補といえるショットメーカー3人のスウィングを、プロコーチの黒宮幹仁氏に解説してもらった。

やはり注目すべきは、アイアンがキレッキレの稲見萌寧、小祝さくら、高橋彩華の3選手ですね。それぞれスウィングは異なりますが、アイアン巧者といえる共通点があります。それは頭の動きが限りなく“ゼロ”に近いこと。

「頭が動かない=軸がブレない」と言えるので、最下点も常に安定してます。ボールをしっかり上から潰すように打てるので、アイアンショットに必要な球の高さや方向性がそろい、スピンコントロールができます。だからこそ、ピンに絡むショットをビシビシと打てるんです。

3人ともインパクトで多少沈み込むような形になりますが、頭の上下のブレと左右のブレは限りなく少ないのがわかると思います。これを可能にしているのが、腰を“引く”動き。バックスウィングでは、右腰を引くように回転し、ダウンスウィングからは左腰を引くように回転します。そうすることで、その場で回転できるので、頭の位置が変わらないんです。

稲見萌寧
フェース面がずーっとスクエア

ダウンスウィングで右ひじの角度をキープしたまま左腰を一気に後方に引くことで、フェース面をスクエアに保ったまま鋭く回転。インパクトゾーンでヘッドが低く長く動く点も、精度が高い理由のひとつ

小祝さくら
左の壁が安定感の秘密

稲見や高橋に比べてフェースローテーションが多いタイプ。左足を伸ばすように使って左の壁を作る。スウェイを抑制し、振り遅れを防げるため過度なフェースローテーションもなくなる

高橋彩華
右足を絞り球を押し込む

アドレスからトップにかけて一切右足は動かないが、インパクトにかけて右足を左足に近づけるように絞り込んでいく。球を押し込むことができるとともに、クラブが上から入りスピンコントロールもしやすくなる

月刊ゴルフダイジェスト2021年11月号より