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【日本アマ】「獲らなければならないタイトル」中島啓太が初戴冠。“2位の男”返上

<日本アマチュアゴルフ選手権/大利根CC 西コース(茨城)/7121Y・パー72/6月29日〜7月2日>
PHOTO/Hiroshi Yatabe、Tadashi Anezaki

コロナ禍で2年ぶりの開催となった日本アマチュアゴルフ選手権(大利根CC・茨城)。平均年齢21.13歳、142人の頂点に立ったのは世界アマチュアランク1位の中島啓太。最終日は悪天候による中断後、中止が決定。54ホール短縮競技となったが、2日目に9アンダーとビッグスコアを出した中島が出利葉太一郎を振り切り初優勝を飾った。

「日本のゴルフは注目されていると思う。
自覚を持ってプレーしたい」(中島)

「準備を大事にしたい。何事も準備、準備、準備です」といつも口にする中島啓太(日体大3年)。「自分とコースとの闘い。マネジメントをしっかりしていればスコアは落とさない」と初日からゲームプランをしっかりつくって臨んだ。

初日、2日目とトップに立っていた日本大学2年の出利葉太一郎は、「最終日が一番いい内容のゴルフをしていた」と言い、悔しさも残るが、「決勝ラウンドでは啓太さんと回らせてもらっていい経験に。自分もいつかああいう人になりたいです」

目標とされる存在となった中島の次戦は8月上旬の全米アマ。「間違いなく過酷なコースだと思う。しっかり準備をしていきたい。日本のゴルフは注目されていると思う。全米アマも世界アマランク1位として会場に入ることになる。松山さん、金谷さん、梶谷さん、笹生さんと(日本勢が)活躍されていて注目されると思うので、流れに乗るというか、しっかり自覚を持ってプレーしたい。今回、日本の男子ツアーで活躍している大学生も出場していたレベルの高い日本アマに勝てたので、自信を持ってアメリカに行きたいです」

世界への扉はより大きく広がっていく。

「ディーププラクティス・深い集中力」を課題にトレーニングや体重管理にも取り組んできた。本大会は、2015年、2017年、2019年に2位。「地元の練習場のおじさんからは『2位の男』と呼ばれていて(笑)。ゴルフ人生において獲らないといけないタイトルだったので素直に嬉しい」

(左)15年日本アマ決勝で敗れた金谷拓実は中島が目標とする存在。「たまに連絡をとるくらい。全米プロのときに電話がかかってきました」。現在欧州ツアーで戦う金谷は自身のインスタグラムで「おめでとう!」と祝福していた。(右)夏のもう1つの目標は「大学のリーグ戦で今の4年生と優勝したい」。石川航、河本力など有力選手ぞろいの日体大。伝統芸「エッサッサ」が見られるか

「格好いい。啓太さんが目標になりました」
(出利葉太一郎・日大2年)

出利葉は時松隆光と同門で“テンフィンガー”の弟分。今回、もう1人“兄貴”ができた。「啓太さんは立ち姿、歩く姿、プレーする姿もいい。周りの人にも声がけして人間性もすごいです」

前週の大学対抗戦で逆転勝ちした東北福祉大の3年、鈴木晃祐(写真左)が3位に。今回、社会人17人、大学生92人、高校生27人、中学生3人、その他3人が出場。大学ゴルフ戦国時代なのだ

<日本アマチュアゴルフ選手権 最終成績>

優勝中島啓太(日本体育大学3年)-10
2位出利葉太一郎(日本大学2年)-7
3位鈴木晃祐(東北福祉大学3年)-4
4位T植木祥多(日本大学4年)-3
4位T宮城慎太郎(東北福祉大学4年)-3
4位T古川創大(日章学園高等学校2年)-3
4位T平田憲聖(大阪学院大学3年)-3
4位T蝉川泰果(東北福祉大学3年)-3

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より