【東京五輪】ゴルフ男子の有資格者60人をチェック! リオ大会の金&銅メダリストは落選
PHOTO/Blue Sky Photos、Takahiro Masuda
6月21日付けの世界ランクで東京五輪の男子出場有資格者が決定。すでに出場を辞退する選手も現れているが、現時点(6月24日)で出場権を獲得した全選手をチェックしてみた。
【東京五輪2020 ゴルフ競技】
●開催スケジュール
男子/7月29日(木)~8月1日(日)
女子/8月4日(水)~8月7日(土)
●出場人数
男女とも60名
●出場資格
男子は6月21日、女子は6月28日の世界ランキング各国上位2名。ただし世界ランク上位15位以内であれば各国4名が上限。上記に該当しない場合は各大陸から最上位1名、開催国枠として1名
男子日本代表は松山と星野が内定
東京五輪に向け、さまざまな競技で代表選手が決定しているなか、ゴルフ競技・男子の部においても出場資格を得た選手がIGF(国際ゴルフ連盟)より発表された。東京五輪の出場資格は、世界ランクの各国上位2名が基本。ただし、世界ランク上位15位以内であれば、4名が上限となる。
まずは日本代表の2選手を見ていこう。4月に日本人初のマスターズ制覇を成し遂げた日本のエース、松山英樹は世界ランク16位で代表に内定。注目だったのは2番手争いだ。3番手につけていた金谷拓実が最後まで追い上げをみせたが、6月に行われた「全米オープン」で最終予選を勝ち上がり、決勝まで進んで26位タイでフィニッシュした星野陸也が内定を獲得。
候補選手に選ばれた松山と星野はJGA(日本ゴルフ協会)を通じてコメントを発表。松山は、
「日本代表NF(ナショナルフェデレーション)候補選手に決定したことを光栄に思います。ジュニア時代から慣れ親しみ、コースの特徴もわかっている霞ヶ関CCでの開催ですので、いい結果が残せるようにショット、パットの調整を進めていきます。今年はマスターズでグリーンジャケットを着ることができ、日本のファンにも喜んでいただけたと思います。東京五輪でもメダルを獲得して、たくさんの方にゴルフの素晴らしさを知ってもらえるよう頑張ります」
国内ツアー今季3勝の星野は、
「日本代表NF候補選手に決定したことをうれしく思います。今季は国内ツアーで複数回優勝し、海外メジャーにも出場するなど、自分自身も成長と好調を実感しています。東京五輪では、自分ができる最大限のパフォーマンスを発揮し、感動を与えられるようなプレーができるよう、しっかり準備して臨みたいと思います。ご尽力いただくすべての方に感謝の思いを忘れず、みなさんの期待に応えられるよう頑張ります」
日本代表ヘッドコーチを務める丸山茂樹もコメントを発表。
「松山選手はマスターズチャンピオンとして大きな勲章を背負ってプレーすることになります。自国開催の東京五輪でも頂点の金メダルを目指してほしいです。星野選手は全米オープンで予選通過するなど、直近の数試合で候補選手の座を獲得したことが素晴らしいです。両選手とも金メダルを目指してほしいと思います」
東京五輪では日本代表選手がメダルを獲得したとき、金メダルは2000万円、銀メダルは1000万円、銅メダルは600万円の報奨金が授与される。開催まであと1カ月となったが、松山はオリンピックランクで8位につけている。金メダルを期待したい!
松山英樹
「メダルを獲得してゴルフの素晴らしさを知ってもらいたい」
●2021 マスターズ優勝
●米ツアー6勝
●日本ツアー8勝
13年にプロ転向。同年に日本ツアー4勝を挙げ、ツアー初のルーキーで賞金王を獲得。14年から米ツアーを主戦場にし、メモリアルトーナメント、フェニックスOP、WGCなどで優勝。今年マスターズを制覇
星野陸也
「今季は自分の成長を実感。期待に応えられるよう頑張りたい」
●今季ツアー3勝
●日本ツアー5勝
16年にプロ転向。18年のフジサンケイで初優勝を達成。20年にフジサンケイで2度目の優勝を果たし、今年に入っても2勝と好調を維持。同じ笠間市出身の畑岡奈紗とは親交があり、ともに五輪出場する可能性大
エントリー締め切りの7月5日に出場者が確定!
6月22日にIGFより発表されたのは、東京五輪の出場権を得た有資格者60名。それに合わせ、各国ごとにリザーブ選手も明記されている。これは出場を辞退する選手がいるためだ。最終的な出場者が決まるのは、エントリー締め切りの7月5日となる。日本代表のリザーブ選手の上位には金谷拓実(世界ランク85位)、今平周吾(世界ランク135位)、石川遼(世界ランク156位)が挙がっている
●7月1日(木)
各国の五輪委員会が有資格者の出場可否をIGF(国際ゴルフ連盟)に報告
●7月2日(金)
出場辞退者による出場資格の再割り当て
●7月5日(月)
エントリー締め切り
日本代表ウェアはこちら
丸山茂樹ヘッドコーチと服部道子女子コーチにより日本代表ウェアがお披露目。桜をイメージしたピンク(丸山)と美しい海をイメージした水色(服部)2種のほか、日の丸を意識した赤色もある
世界8位のケプカをはじめ
リオで金のローズ、銅のクーチャーも落選
海外の有資格者もみていこう。最大の注目は出場人数の上限4名を確保した米国だ。6月21日付けの世界ランクでは15位までに10人が名を連ねた。出場資格が決まる最後の大会となった全米オープンで優勝したジョン・ラーム(スペイン)が同ランク1位に返り咲いたが、その他の順位に大きな変動はなかった。米国4番手で内定したブライソン・デシャンボーは世界ランク6位。メジャーハンターのブルックス・ケプカは世界ランク8位でも出場できないという結果に。また、前回のリオ五輪の金メダリスト、ジャスティン・ローズ(英国)や銅メダリストのマット・クーチャー(米国)も落選している。今回は大幅に顔ぶれが変わりそうだ。
ちなみに60人の候補者全員をみると、その半数は世界ランク100位以下の選手だ。しかも同ランク2位のダスティン・ジョンソン(米国)、11位のティレル・ハットン(英国)はすでに辞退を表明している。メジャーと比べると少し物足りなさを感じてしまうだろう。だが、世界36カ国の選手が出場することや、世界にゴルフ競技の魅力を発信できることなどを考えれば、ゴルフを五輪でやる価値は大いにあるはずだ。
東京五輪出場有資格者リスト(6月22日時点)
【米国代表】
世界ランク15位までに10人! ゴルフ最強国の精鋭4人
【英国代表】
リオ五輪金メダリストのローズは圏外
ポール・ケーシー(世界ランク20位) トミー・フリートウッド(世界ランク33位)
<英国代表リザーブ選手>
ジャスティン・ローズ(世界ランク44位)、ロバート・マッキンタイア(世界ランク50位)、イアン・ポールター(世界ランク55位)、マット・ウォレス(世界ランク58位)、アンディ・サリバン(世界ランク80位)
世界ランク上位者が出場辞退
「PGAツアーに集中したい」(D・ジョンソン)
世界ランク2位のダスティン・ジョンソン(米国)は今年3月に辞退を表明。理由は「東京五輪の2週前に全英オープン、五輪後にはWGCもあり、PGAツアーに集中したい」。同ランク11位のティレル・ハットンは「過密日程や新型コロナによる渡航の問題」とコメント
●主な出場辞退選手
ダスティン・ジョンソン(米国/世界ランク2位)、ティレル・ハットン(英国/世界ランク11位)、ルイ・ウエストハイゼン(南アフリカ/世界ランク12位)、アダム・スコット(オーストラリア/ 世界ランク41位)、セルヒオ・ガルシア(スペイン/世界ランク48位)
週刊ゴルフダイジェスト2021年7月13日号より