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【奥田靖己の日本OP観戦記】<前編>93年覇者「この試合の重みを感じるのは優勝した後です」

33年前、琵琶湖CCで行われた日本オープンで優勝した奥田靖己。小誌人気連載『ゴルフはつづくよどこまでも』でゴルフの”詫び寂び”を追求してきたベテランプロが、今年の日本オープンをウォッチ。日本オープンはつづくよどこまでも……ナショナルオープンの今をレポートします。

TEXT / Masaaki Furuya PHOTO / Tadashi Anezaki

奥田靖己 おくだ・せいき。1960年生まれ、大阪府出身。甲南大学卒業後、84年にプロ入り。日本のレギュラーツアー6勝、シニアツアー2勝変わったもの。

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「実際にこの試合の重みを感じるのは優勝した後です」

僕が日本オープンで勝ったのは1993年の琵琶湖CCの第58回大会ですから、もう33年前のことになります。当時のことを振り返ると、3日目、4日目は最終組でジャンボ尾崎さんとのツーサムで、朝からメチャ緊張してました。でもそこから逃げられないし行くしかないんやから、緊張したまんまで思い切ってやってました。それは日本オープンでも銀行のコンペでも一緒です。勝ったら「この伝統ある試合で」とかは言うけど、やってるときはもう必死でやるだけです。実際にこの試合の重みを感じるのは優勝した後です。その後にほかの試合で1回勝ったり2回勝ったりして自分が上へ行くほどその重みを感じるもの、重みとはそういうものです。

今回、琵琶湖で勝って以来、初めてチャンピオンズディナーに出席したんですけど、日本オープンチャンピオンだけのディナーですから(JGAとNHKの方も出席されます)、改めてその重みを感じました。僕は初参加だったこともあって、挨拶のスピーチをしたんですが、冒頭のような琵琶湖大会での朝の緊張感と、同組のジャンボさんに朝、挨拶したら無視されたのを見ていたという人が、後にある試合でマーカーに付いてくれて、「あのときから応援しようと思いました」と言うてくれて嬉しかったといった話などをエピソードを交えてお話しさせてもらいました。

今回、もう一つ初めてのことがありまして、それは弟子の加藤龍太郎が予選会を通って出場することになり、練習日と初日のラウンドを見ることにしたんです。龍太郎は15年前に中四国オープンに優勝して鷹の台CCでの大会に出ているので初めてではないのですが、僕が日本オープンをロープの外からギャラリーとして歩くんが初めてやったんです。

奥田の腰には、パーストチャンピオンだけが持つ金バッジが光る。「あのときは、緊張したまんまで思い切ってやってました」

チャンピオンズディナーで、オープンの重みを実感

まず、龍太郎の初日のラウンドに付いて感じた、今回のタラオカントリークラブのコースとセッティングの特徴について、大会は終わってますがリポートしたいと思います。

コースは2グリーンで一つ一つはコンパクトでアンジュレーションがきついです。さすがに仕上げてきて速さも出ているので、乗る場所によっては止まらない。返しの2メートルが入らない限りはボギーになる可能性が高いので、ピンと同じ面に打てるアイアンのショット力が試されます。

初日の1番ホールの龍太郎はセカンドショットを傾斜のきつい受けたグリーンの真ん中のピンに対して手前4メートル弱につけるナイスショット。下からはけっこう重く、上からはかなり速いこのパットをオーバーできるかどうか。結果はバーディは逃したものの、70センチオーバーしてのパーセーブ。オーバーで打てたことが大事で、3番ホールでは1ピンの下りのフックライン、僕やったら7割は外してる難しいパーパットを入れてしっかり打ててます。

9番ホールは199ヤードのパー3で、グリーン手前と奥にバンカーがあります。龍太郎のショットは弾道はよくわからなかったけど、スウィングを見たら短めのクラブでよく振り切れたナイスショット。そう思って行ってみたらグリーンオーバーして奥のバンカーです。本人に後で聞いたら「前半はずっとオーバーしてたから6Iじゃなく7Iで行こうとパーンって今日イチの良い当たりしたなと思って行ったら奥のバンカーでした」とのこと。このときは見てると雲は左から、旗は右からの風を示していて、それで実際はそれにフォローの風もあったようで、風のジャッジが難しかったですね。壁(山)に当たって横風なのにフォローが入ったり、こっちはフォローで向こう行ったらアゲてるとかもよくあって、風の抜け道も地元の人でもわからないケースがあると言ってました。

500ヤード以上の長いパー4が3つあります。10番は524ヤードで、ティーショットの落とし所の左右に2つバンカーがある。バンカーにつかまるとグリーン狙いは長いクラブで池越えになるから難しいですね。2つのバンカーの間の幅18ヤードほどの狭いフェアウェイにティーショットを打てるかが鍵となるホールですが、龍太郎はそのティーショットを左のラフに打ち込み、このホール、ダボとしました。この日は4オーバー、2日目は1オーバー、トータル5オーバーの3位タイで予選カットとなりました。

初参加。「倉本(昌弘)さんや(田中)秀道くんだけやなく、若いチャンピオンたちともいろいろ話せて楽しかったです」


コーチングパスをぶら下げての観戦。練ランでは、加藤が山口のコースにいたときの“ゴルフ仲間”細野勇策と一緒に。予選落ちではあったが、「戦えてはいました」(奥田)

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週刊ゴルフダイジェスト2026年11月17日号より

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