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松山より先に「オーガスタ」を制した梶谷翼。ゴルフだけでなく“絵”の才能も凄かった

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Takanori Miki、JGA
THANKS/樫山ゴルフランド

今年4月、松山英樹より先に「オーガスタ」で日本人初の優勝を果たした17歳の逸材・梶谷翼さん。この先、どのような未来像を描いているのか。話を聞いていると、ゴルフ以外の驚くべき才能が明らかに!

梶谷翼
かじたにつばさ。2003年生まれ、岡山県出身。オーガスタ女子アマで日本人初の優勝を果たす。青木翔コーチのもとで腕を磨く。名門・滝川第二高校ゴルフ部のキャプテンを務める

世界を制して逆に課題が明確になった

――オーガスタ女子アマ優勝おめでとうございます。オーガスタはどうでした?

梶谷 ありがとうございます。とにかくコースがキレイで、“キレイの最上級”って感じでした(笑)。コースはやっぱり傾斜がすごかったです。テレビで見ていたのとはまるで違いました。緊張よりもプレーできる喜びが勝っていたので、とても楽しめました。

――あまり緊張はしないタイプと聞きますが。

梶谷 そうですね。それに、今回は最後まで優勝できるとは思っていなかったのでそこまでプレッシャーを感じることはなかったです。

――プレーオフになってもですか?

梶谷 はい。みんなより多くオーガスタを回れて嬉しいという気持ちが強かったです。最後のパットも『これ外したら負けるんだろうなぁ』くらいにしか思いませんでした。

――もともと海外志向が強い梶谷さんですが、実際に海外でプレーしてみて、技術的に感じたことはありますか?

梶谷 優勝できたのはよかったのですが、世界との差はすごくあると感じました。

――どのあたりですか?

梶谷 ドライバーの飛距離と、アイアンの球の高さです。飛距離に関しては、最終日一緒に回っていた選手に50ヤードくらい置いていかれました(笑)。試合中だったので、こんなに飛ぶんだぁ……くらいにしか思わなかったですが、これからやっぱり埋めていかないといけない部分だと実感しました。

――具体的な飛距離の目標はありますか?

梶谷 今240ヤードくらいなんですが、270ヤードはほしいです。まぁ、伸びるなら伸びるだけ嬉しいです。飛距離はいくらあっても困らないので(笑)。

――アイアンに関してはどうですか?

梶谷 球の高さはずっと課題にしている部分です。日本の同じ年代の選手と比べても少し低いほうなので。グリーンで止めることを考えると、やっぱり高さは必要だと感じますね。

――今後の目標を教えてください。

梶谷 今回の優勝で全英女子オープンと全米女子オープンの出場権をいただけたので、まずはそこ。しっかり予選通過できるように頑張りたいです。将来的には、世界で活躍できる選手になりたい。アメリカに行きたいです!

さらに強くなるために!
「目的意識を持った練習が必要」(青木コーチ)

<課題1> 股関節に体重をしっかり乗せる
「短いアイアンで、クローズスタンスで打つことで股関節への意識が高まり、しっかり乗っていくことができます」(青木)

<課題2> 一球一球飛距離を把握する
「弾道計測器を使ってキャリーの目標を設定しています。目標に向かって打つことで“振る” 感覚が強くなり、飛距離アップにつながります」(青木)

「私、ひとりの時間が好きなんです」

大のマンガ好きという梶谷さん。「最初にはまったのは名探偵コナン。全巻持っています。ワンピースも集めています。一番好きなのは、『炎炎ノ消防隊』というマンガです。めちゃくちゃおもしろくて時間を忘れて読んでしまいます」

え? これ自分で描いたの!?
ゴルフだけでなく絵のセンスも凄かった!

実は絵を描くのも得意。「これは映画ジョーカー。オーガスタからの国内線が3時間くらいあったので描き始めました。残りは日本に戻ってきてから」。7時間ぐらいかかったというが、クオリティがすごい……!

月刊ゴルフダイジェスト2021年7月号より