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【インタビュー】岡田美智子<後編>81歳で200Y。パープレーは“いつでもできる”。「生まれ変わってもプロゴルファーになりたい」

「岡田美智子プロ、試合でエージシュート達成」というニュースを近年、何度聞いただろうか。今年81歳を迎えた“第1期生の女子プロが、引き続きゴルフと人生を長く楽しく続けていく秘訣を語ってくれた。

THANKS/伊勢原ゴルフセンター PHOTO/Tsukasa Kobayashi

岡田美智子 おかだ・みちこ。1945年生まれ、福島県いわき市出身。18歳でゴルフを始め、67年日本女子プロゴルフ協会に1期生として入会。69、70年と樋口久子に次ぐ賞金ランク2位。74年中村寅吉に師事し75年にツアー初優勝後、57歳までにレギュラーツアー通算10勝。現在もレジェンズツアーなどで活躍

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お肉を食べる、速足ウォーク、
毎日の積み重ねが大事

今年もまた、レジェンズツアー数試合に出場する予定だという岡田。初戦は、5月に行われる昨年誕生した日本女子シニアオープン太陽生命元気・長生きカップ(武蔵CC)になりそうだ。

「仲間からは、岡田さんはどうせ出られるからって言われます。10勝以上の人は出られる規約がありますから。女子シニアの層は厚くなった。スポンサーがついてもっと試合が増えればいいと皆言っていますよ。昔より、皆さん若いですし。私も81ですけど夫と一緒に週3、4日はハーフやフルでラウンドしていますから」

レジェンズの理想を体現する岡田。飛距離は現在200ヤードくらいだというが、「赤ティーだったらパー5で2オンしちゃうし、パープレーはいつでもできます」ときっぱり。

「(夫の)暁さんの飛距離は220くらい。昔は柔道や空手をやっていたスポーツマンで、身長も177㎝ありますしね」とどうしても“のろけ”話になっていくのが微笑ましい。

「彼はここで25年近く教えてきたけれど、2年前に右腰と左の股関節を手術してレッスンをやめました。人気があったんですけどね。でも、私たち夫婦はなかなか2人で回る機会がなかったから、これからは一緒に回ろうと。伊勢原CCも非常に好意的です。2人ともゴルフが大好きだし、回れるだけの体力がある。本当は毎日でもいいくらいなんですよ」


夫婦で真剣勝負の日々だ。

「勝負はほぼ互角です。私がパープレーで回ったらお小遣いをくれるなんて言ってくれるんです。先日も途中までいい感じでプレーしていたのに、上がりボギー、ボギーになってしまった。私は小技があまり上手くない。今、バンカーの打ち方などを夫に教わっています。『あのときそれができていたら優勝していたね』なんて言われながら。上手くなりたい欲があるから年を取っていられませんね」

岡田自身は今でもレッスン活動をしている。

「今年はもっと増やそうかなと思っているんです。YouTubeなどで学んで、かえって上手くいかなくなっている人が多い。ポイントは“ボディ”。ゴルフって体幹で打つものでしょう。手だけで打っている人が本当に多いから。私がラウンドレッスンすると飛ぶようになるって評判なんですよ(笑)。背中を張ってお腹に力を入れて角度を作りきちんとアドレスして、シンプルに体幹を上手く使うことが大事。コックもきちんと入れないといけませんしね」

「常にしっかりやろうと思ってきました」

岡田のスウィングには人生が表れている。「自分のできる範囲で常に芯に当てていくこと。それにはアドレスで脚とひざと足首で均等に立てていないとダメ。あとは日頃からよく食べてよく寝て精神面を落ち着けて、普通の人より努力していないとダメです」

月に2回、ブラインドゴルファーの方々に教えて、20年近くになる。「まったく見えない人もいます。基本は普通のレッスンと同じです。教えていると自分の勉強にもなります。『セクハラじゃないですか』と言って、体を触りながら技術を伝えたりして。皆さんしっかり当たるようになります」

岡田のゴルフ愛とポジティブさが伝わりゴルフ好きが増えていく。なぜ、こんなに長く活躍できるのだろうか。

「一番は食生活だと思います。夫は毎日すごくお肉を食べます。私はいわき出身だからお魚が好きですけど、夫の影響で毎晩サラダとタンパク質の牛肉、豚肉、ハムなどをバランスよく食べるようになった。朝はハムエッグも食べますね。これが体力の基本です」

1日2食、睡眠は夜10時頃から朝6時まで、8〜9時間取る。

「どこでも寝られます。九州の遠征先で『お化けが出た』という騒ぎのときもグッスリ眠っていて」

トレーニングも欠かさない。

「1年半前までジムにも行っていたけど、今は家にある器具を使ってやります。あとは“速足ウォーキング”。試合のときも雨の日以外、必ず毎朝30分やっていました。吉川(なよ子)さんもやっていましたね。今も、部屋でストレッチして家から公園まで1時間弱、速足で歩く。やはり確実に何かをやってないと下半身が衰えます」

昨年6月に心房細動の手術をしたが、「それはもう大丈夫。とにかく毎日少しずつ積み重ねる努力が基本だし大事です」

時間があるときには練習場で200球くらい打つことも。「主人は1日おきに300球くらい打っています。私もこれからはまた打ち込みしようかと思っています」

「自分のゴルフを追求することが楽しい」

上達のためには「複雑に考えすぎないこと」。わきを締めて体に付け、手と同調させてコンパクトに振ると「軌道が決まる」。「ゴルフは飛ばさなくても、自分でどういうふうにプレーしたいかを組み立てることで勝負できる。パー5は3オン1パットでバーディを取れますからね」

岡田には「これからやること」がまだまだある。この前向きな気持ちこそが、充実したゴルフライフと人生をつくる。そしてそこに“暁さん”の存在は欠かせない。

「常にしっかりやろうと思ってきました。成績がすべての世界、体調がいいのに空回りしたり、相手を見て力んだりもしますし、ゴルフの流れをつかめなくて失敗することも多くあった。でもそこを修正すればまた頑張れるし、家に帰って夫に話すと『それは自分の気持ちと努力と食生活と全部かみ合っていくようにしないとね』なんてアドバイスをくれた。主人も勝負師ですから。本当に多くのことを教えてくれますし、私を見て『そんなふうに大胆にやればいいんだな』と学ぶこともあるみたい」

今後の目標は?

「エージシュートそのものが目標ではないんです。あくまで今までできなかったことがレベルアップできるように。そうすればスコアは自然とついてくる。レジェンドの試合で優勝できたら嬉しいけど、どうやってスコアを出していくか、自分のゴルフを追求することが楽しい。ショートゲームの精度も上げたいですし。周りのシニアプロは、『岡田さんの年になってあんなに振れるかしら』と言うけれど『感心ばかりしないの!』と言っています」と笑いながら、具体的な目標は「パープレーに対してアンダーパーで回りたい」

「1つ大きなミスをしたりするから、それをなくす。クラブの進化にどう対応できるかも大事。今のクラブはやさしくなって飛ぶから、自分に合ったクラブを見つけることもやっていきたいです」

もう一つ「これからやること」がある。

「今までは、家の食事をあまり真面目に作っていなかったけど、これからはもっと作るようにしたい。素材や調理法も勉強しながらバランスよい食事を目指したいです」

きっと自分と“暁さん”の時間、そして2人の時間を目いっぱい大事にしたいからだ。

最後に、ゴルフは飽きないかと聞くと、「まったく飽きませんね。生まれ変わってもプロゴルファーになりたい。大好きです。もう少し何とかならないかなといつも思っていることが楽しい。緑の中を歩いて、お客さんも上手くいけば喜んでくださって。本当に恵まれています。キャディをしたおかげで今がある。うちの主人も『立派なもんだ』と言ってくれます」と最後も“のろけ”で締めくくってくれたのである。

2サムでラウンドすることも多く、「仲が良い」と周りの人に笑われるそう。“暁さん”こと佐藤プロに岡田の魅力を聞くと、「親を大事にするところ、ゴルファーとしては良いときも悪いときも努力を怠らないところ、女性としても魅力的です」と“のろけ”返し。「僕もゴルフは飽きません。90を過ぎてもバリバリ回ることが目標。彼女とのラウンドはいい勝負で、刺激になります」

週刊ゴルフダイジェスト2026年4月28日号より