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【名手の名言】ゲーリー・プレーヤー「太陽の強さを吸収するためだ」【名手の名言】

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は「ビッグ・スリー」のひとりで世界で150勝以上を挙げるレジェンド、ゲーリー・プレーヤーの言葉を2つご紹介!


太陽の強さを吸収するためだ

ゲーリー・プレーヤー


アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラスともに「ビッグ・スリー」として、一時代を築いたゲーリー・プレーヤーは黒づくめのファッションがトレードマークであった。プレーヤーに、「なぜそんなに黒が好きなのか?」という問いは、それこそ世界中で何百回と繰り返されたであろう。

そんな質問に答えたひとつが表題の言葉である。

170センチ、66キロと恵まれない体を、その時代は異質だった筋トレで隆々とした身体をつくりあげ、南アフリカ出身というハンディを乗り越え、世界中で100勝以上をあげた。小柄な体を精悍に見せる一方法が黒づくめのファッションであったのだろう。

近年でも、タイガー・ウッズは最終日に赤色を身につけて、「パッション」を表現してきたし、ポーラ・クリーマーはピンクが主体のコスチュームで可愛らしさを前面に押し出していた。

黒い色は太陽のエネルギーを吸収し、前述したように小柄な体を精悍にみせ、ミステリアスにみせる。

プレーヤーのその演出は成功して、「南アの黒豹」と呼ばれ、ビッグ・スリーの一角として確かな存在感を示したのだった。


ボディビルなどゴルフには
役に立たないと笑われたが
私はついに目的を果たした

ゲーリー・プレーヤー


1965年、全米オープンに勝ったあと、プレーヤーは次のように語った。

「私がボディビルをやっているというと、笑う人が多かった。ゴルフではグリップを強くするなど、手や脚を鍛えることはあっても、全身を鍛える運動は不要と思われていたからだろう。しかし、私はそれでは力強い球は打てないと思い、余暇をみつけては全身を鍛えてきた。小柄な私が巨漢のなかで勝つことができたのも、日頃の筋力鍛錬が効を奏したと思う。私のやってきたことは正しかったことが証明されたのだ」

168センチしかない体躯で4大メジャーを制して、4人目のグランドスラマーとなり、黒豹と呼ばれたプレーヤーのバックボーンは、ボディビルにあったわけである。当時、ゴルフに強い筋力は必要ないといわれていた。むしろ上体の力に頼りすぎて害になるとさえいわれていたのだ。

しかし、プレーヤーはシーズンオフはいうに及ばず、ツアー中でも宿舎にダンベルを持ち込み、寸暇を惜しんで逆三角形のマッチョな体をつくりあげた。そういう潮流のなかだったからこそ、冒頭のような反論が話題になったのである。

現在では、筋トレは当たり前、米ツアーのほとんどの選手は試合中のラウンド前でさえランニング、ストレッチなどエクササイズを行うようになっている。プレーヤーはその先駆者といえよう。

■ゲーリー・プレーヤー(1935年~)

南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。母親を幼くして亡くし、父親は炭鉱で働き、貧困な少年時代を送った。スポーツ万能であったが、ゴルフを選んだのは15歳のとき。その6年後には南アフリカオープン優勝。地元有志のサポートで米ツアーに参戦。メジャー優勝は、59年の全英オープンを皮切りに、全英は計3勝、マスターズ3勝、全米プロ2勝、全米オープン1勝の全9勝。米ツアー24勝をはじめ、全世界で150勝以上を挙げた。ニクラス、パーマーとともに『ビッグ・スリー』として、世界のゴルフシーンをリードした。

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