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【インタビュー】西村優菜<後編>「みんなから『古っ!』って言われるんですけど、これ以上のクラブに出合えていないんです」

米ツアー挑戦1年目でシード権を獲得し、2年目のシーズンを迎えた西村優菜を独占インタビュー。後編では、長年愛用しているギアの話から、今後の目標についても聞いてみた。

TEXT&PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe

西村優菜 2000年生まれ。大阪府出身。ジュニア時代から頭角を現し、2020年プロ入り。プラチナ世代を代表するひとりで日本ツアー6勝。昨シーズンからアメリカ女子ツアーに参戦し、シード権を獲得。ロレックスランキング71位(5/22時点)

「“古っ!”って言われますけど
7Wと9Wは大切な相棒なんです」

――7Wと9Wは中学生のときから使っているんですね?

西村 中学2年生くらいのときに、キャロウェイさんが作ってくれたまま使っています。ヘッドはそのままで、シャフトも替えていないと思います。

――そのまま使い続けているってスゴいですね。

西村 手にすごく馴染んでいて、いろいろやるんですよ。低い球を打ったり、スライスをかけたり、フックで前に行かせたり、全部、叶えてくれます(笑)。

――7Wと9Wの飛距離は?

西村 7Wが180ヤード、9Wが170ヤードです。私は距離を落とすときに、フェードを打つんです。165ヤードは UTでは届かないので、9Wでフェードを打って止める球を打ちます。175ヤードだと、7Wで落とすか、9Wでフックを強めに打って行かせるか、みたいな感じです。

――これから先も5年、10年と使うんですよね?

西村 使いたいんですけど、きっと壊れると思うんです。もうハラハラしながらやっています。いろいろテストはしていて、7Wはあるんですけど、9Wってないんですよ、いまの時代。UTのロフトが立ってるモデルも試していますが、ここまでやさしくて、しっくりくるクラブにはまだ出合えていないんです。7WはAiスモークが合いそうなんですけど、9Wがないので、そろえたい気持ちもあるし。


――7Wと9Wは西村プロにとって何でしょうか?

西村 もう長年の相棒みたいな存在です。みんなから「古っ!」って言われるんですけど(笑)。このクラブなら自信を持って、試合のときも、ショートアイアンみたいな感覚で打てるんです。

中学2年のときにキャロウェイがモニター提供してくれたというグレートビッグバーサの7Wと9W。プロ入り後はおろか、アメリカでも、ヘッドもシャフトも当時のまま使い続けている。まだこの2本に代わる相棒を見つけられていないという

少し短く持って、カットに入れてスライスをかけて、距離をコントロールする9Wのショット。フックをかけたり、スライスをかけたり、低く打ったり、高く打ったり、さすが関西のテクニカルなコースでゴルフを磨いたワザ師・西村らしい

「いつかメジャーに勝って
最後は日本でプレーしたい」

――今年はざっと残り半年ですが、一番の目標は何ですか?

西村 やっぱりメジャーでいい成績を出したいって思っています。あとは、今年は1勝を目標にしているので、まずはそのチャンスを増やして、そういうときに強い気持ちで戦えるように準備したいな、と思っています。

――では、5年先くらいまでの目標で言うと?

西村 30歳までにメジャーで勝ちたいですね。私はメジャーに勝って、最後は日本に帰ってプレーしたいと思っているので。それまでには帰りたいなって(笑)。

――メジャーに勝つまでは日本に帰らない、とか?(笑)

西村 帰れないんです(笑)。メジャーが自分の最大の目標なので、達成できるように頑張りたいと思っています。

――試合以外の趣味や息抜きは見つけましたか? バスケを見に行ったとか?

西村 スポーツ観戦は大好きなんですよ。アメリカでその楽しみを考えながらやっていて、去年は野球へ行って、今年はバスケへ行って。そういうのは好きなので、各地で何かあれば見に行きたいなって思っています。

――確かショップライトLPGAクラシックの週に、ドジャースがニューヨークに来ますよ。

西村 ドジャースが来ます? それはちょっと楽しみですね。

「最後は日本ツアーでプレーしたい」と言う西村は、「メジャーに勝つまでは、日本に戻れないんです」と冗談めかして答える。今シーズン、アメリカで優勝争いをどれだけ経験できるか、西村の真価が問われる

週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号より