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【PGAツアーエキスプレス】Vol.36 スコッティ・シェフラー「世界のゴルフはこの男を中心に回っている」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第36回は、現在名実ともに世界No.1の座に君臨するスコッティ・シェフラーについて。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

スコッティ・シェフラー 1996年生まれ、アメリカ出身。今年、マスターズを2度目の制覇。現在世界ランクトップに君臨する世界最強の男 (Photo by Ben Jared/PGA TOUR via Getty Images)

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これだけの活躍を誰が予想できたか

フェデックスカップポイントランキングと世界ランキング、ともに1位でマスターズを迎えた選手は今回のスコッティ・シェフラーで3人目だが、マスターズで優勝を果たしたのはシェフラーが初めてだ。彼自身、マスターズ優勝は2022年に続き2回目だが、今回の戦いはまさに横綱相撲といった展開で、本当に彼の強さを見せつけてくれた。

過去に2度、両ランク1位でマスターズを迎えたタイガー・ウッズは、08年は2位、13年は4位に終わった。ダスティン・ジョンソンに至っては、大会前日に宿泊先の階段で転倒し欠場、初日のティーショットを打つこともなかったのだ。

同じ年にザ・プレーヤーズ選手権とマスターズで優勝したのはシェフラーとタイガーだけであり、その他の要因からも今のシェフラーはタイガーと比べられることが何かと多い。タイガーと比べるのはいささかナンセンスな気もするが、それでもそれに見合うだけの活躍はしていることは事実だろう。マスターズでは、誰もが苦しむ“ガラスのグリーン”でも安定感抜群のパッティングを続け、パーオンしたホールの平均パット数は大会を通じて1位、総合の平均パットでも3位にランクされた。

特筆すべきはシェフラーの安定感だろう。マスターズの直近5試合で2勝、そしてマスターズ優勝、さらには翌週のRBCヘリテージでも優勝を果たした。27歳の若さで通算10勝を達成したのもすごいことだが、それが過去51大会の期間に成し遂げたことを考えるとそのスピード感がわかる。

メジャー大会で優勝した翌週にPGAツアーの大会で優勝したのは、これまた2006年のタイガー以来(全米プロとWGCブリヂストン招待)だ。また、RBCではショットデータでも最高の数字を叩き出した。大会を通じてのパーオン率は76.39%と、これまでRBCヘリテージで優勝した選手の中ではスチュワート・シンクに次いで2位の数字だった。まさに、ショットメーカーという数字を残したのだ。

ウェルズファーゴ選手権はメレディス夫人の第1子出産が近いため欠場した。これはシェフラーにとっても大きな出来事であり、第1子が誕生したら、さらにパワーアップしてツアーに復帰することだろう。今、PGAツアーは間違いなくシェフラーを中心に回っている。今後の動向に注目していきたい。

今年のマスターズは横綱相撲で勝利

初日2位でスタートし、3日目に単独トップに立つと最終日は圧巻のプレー。最終的には2位に4打差をつけて優勝。ただ、マスターズ以外のメジャーではまだ優勝がないので、今季、残りのメジャーに期待がかかる

月刊ゴルフダイジェスト2024年7月号より

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