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【スウィング研究】久常涼「世界のトップにも引けを取らない抜群の体づかい」

23年9月カズーフランスオープンでツアー初優勝を果たし、来シーズンからPGAツアーへと舞台を移す久常涼。そのスウィングの強みをプロコーチの植村啓太氏に解説してもらった。

TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Arakishin、Hiroyuki Okazawa
解説/植村啓太

久常涼 ひさつねりょう。2002年生まれ岡山県出身。高校卒業後にプロ入りし、21年にはABEMAツアーで3勝を挙げレギュラーツアーに昇格した。22年の欧州ツアー予選会で7位に入り翌年の出場権を獲得。そして23年9月「カズーフランスオープン」でツアー初優勝を飾り、自らPGAツアーの道を切り開いた

>>PGAツアーへの道を切り開いた! 久常の思いとは?

下半身を主体とした動きは
世界トップレベル

日本で戦っていた頃はドロー主体だったが、DPワールドツアーに出場してからフェードも多用するようになった久常。プロコーチの植村啓太氏によると

「切り返しが抜群に上手ですね。左腕を長く使ってヘッドを遠くに上げ、トップまで持っていきます。そこから切り返しで左足を踏み込むことで強烈なタメが発生。これだけ強く踏み込むとタイミングの取り方が難しいのですが、久常プロはダウンスウィングからフォローにかけての右足の蹴りを積極的に使い、インパクトで上手くアジャストしています。ダスティン・ジョンソンに似た体の使い方をしていますね。体を回転させながら球をつかまえているので、飛距離の出るフェードが打てるというわけです。上半身と下半身の役割をバランス良く使い分けていますね。体の強さが感じられる、世界基準のスウィングでしょう」


「欧州で戦った1年で、多くのメンバーが顔と名前を覚えてくれた。最後のほうは日本と同じような感覚で過ごせた」と久常は話す。持ち前の明るさはPGAツアーでもすぐに受け入れられ、我々の想像を超えるビッグニュースを届けてくれるに違いない

久常涼の1Wスウィング

月刊ゴルフダイジェスト2024年2月号より