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右手は絞って“つまむ”ように握るのが米ツアーの主流!? 理由は「ヘッドを上から入れたいから」

先日のZOZOチャンピオンシップの練習場で、右手を超ウィークに握るアーロン・バデリー選手を発見。なぜ超ウィークで握っているのか、その理由を直撃した!

解説/堀口宜篤
PHOTO/Hiroyuki Okazawa

アーロン・バデリー 米ツアー4勝を誇るベテラン。高い精度のアイアンショットが武器

アメリカでは右手絞りが主流

ZOZOチャンピオンシップの練習日、練習場で右手を極度のウィークグリップで握るアーロン・バデリーを発見。

「これはウィークというより、右手の親指と人さし指でつまむように握って右手を絞っているんだ。指2本に力を入れてつまむイメージだからウィークのような形になるんだ。アメリカでは多いよ」とバデリー。この話を受け、米ツアーに詳しいプロコーチの堀口宜篤氏に、どんなメリットがあるのか聞いてみた。

「アメリカは洋芝なので、上からヘッドを入れたいんです。そのための工夫だと思います」(堀口)。グリップを変えるだけでスウィングが変わるのか。詳しく聞いてみた。

親指と人さし指で“つまむ”ように握っている

右手の親指と人さし指だけでつまむように握ることで、右手を絞ったようなグリップになる。米ツアーでは主流の握りだという

ヘッドを上から入れやすくなる

右手を絞るように握ることで、ボールを上から叩くようなスウィングになりやすい。「手のひらをボールにぶつけるようなイメージでスウィングができるんだ」(バデリー)

ZOZO出場の米ツアー選手は4分の3が右手を絞るように握っていた

ZOZOチャンピオンシップ練習日に出場選手のグリップを調査。すると、30人中22人が右手を絞るように握っていた

右手絞りタイプ

「右手絞り」が合うのは…

◎ ループを描くスウィング
△フェースの開閉を大きく使う

【特徴1】外に上がって上から入る
右手を絞ることで、右腕のひじが外側を向くため、バックスウィングでシャットかつ、外に上がりやすい。そのままループを描いて下ろすことでヘッドが上から入る

【特徴2】地面反力を大きく使う
右手のひらをボール方向にぶつけるように真下に圧をかけていくため、体重移動よりも、地面を蹴るような上下動の動きが強いスウィングになる

右手絞らないタイプ

右手を絞らないグリップが合うのは……
◎ インサイドからクラブを下ろしたい
△ 左へのミスが多い人

【特徴1】フェースの開閉を多く使う
右腕のひじが体を向く握りなので、腕のローテーションが使いやすく、クラブの開閉が大きくなりやすいのが特徴。そのためインサイドからも下ろしやすい

【特徴2】体重移動が大きい
体重移動を大きく使いながら、上半身を倒すように使う(側屈)のが特徴。そうすることでフェースがスクエアになりやすくインパクトゾーンを長くできる

ノレンはアプローチでは右手を下から握る

アレックス・ノレンもショット時は右手を絞るように握る。しかしアプローチ時には、入射角をゆるやかにし、ロフト通りに打つため、右手を絞らずに握っている

月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より