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【PGAツアーエキスプレス】Vol.29 ローリー・マキロイ「ビッグドローの秘密は頭の位置と右足の踏み込み」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第29回は、世界最高峰のドローボールを生み出すローリー・マキロイのスウィングを、全米屈指の名コーチ、トッド・アンダーソンに解説してもらった。

取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

ローリー・マキロイ 1989年生まれ北アイルランド出身。2007年のプロ転向以来、世界のトップを走り続けているトッププレーヤー。マスターズを制覇すれば、キャリアグランドスラムを達成(PHOTO by Mike Ehrmann/Getty Images)
前回のお話はこちら

誰もが憧れるドローボール

この連載にも何度か登場してくれたインストラクターのトッド・アンダーソン。2010年ナショナルPGAティーチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、現在、全米トップ20に入るゴルフインストラクターとして評価されている人物だ。今回は、誰もが憧れるローリー・マキロイのスウィングについて話してもらった。

マキロイの特徴は何といってもキレイな放物線を描き飛んでいくドローボールだろう。この球を武器にPGAツアーでは24勝、先日行われたライダーカップでもヨーロッパ選抜を勝利に導いた。

「マキロイは構え方から高いドローボールを打つための要素をいくつか見つけることができる」とアンダーソン。

「ボールを左足かかと線上に置き、クラブフェースは少し左を向けています。さらに、上体が右に傾き、頭が飛球方向から遠ざかるような形。こう構えることで、右足のかかとに体重を乗せることができるので、ボールの“後ろ側”で体を回転し、インパクトではアッパー軌道でボールをとらえることができるのです」

確かに、マキロイのスウィングは右軸でその場の回転力でボールを飛ばしているように見える。アドレスの段階からその準備ができているということだ。アンダーソンは、マキロイの頭の位置に注目する。

「マキロイはスウィング中、ずっと頭がボールの後ろ側にあります。アドレスの場所に残ったままということ。この動きにより、インパクトからフォローにかけてクラブフェースを閉じやすくなるのです。よりドローボールが打ちやすいというわけです」

>>圧巻! ローリー・マキロイの1Wスウィング連続写真

さらに、軌道についても言及している。

「ドローを打つにはインサイドからアタックする必要があるが、マキロイはそれが完璧。ダウンスウィングでは左腕を上手く使って体の近くを通し、ゆるやかな軌道を作っている。フェース面も軌道よりは少し閉じた状態でボールをとらえているので、ドローボールが生み出されるのです」

もちろん、下半身の強さは誰もがわかるが、アンダーソンは「特に右足」が素晴らしいと言う。

「ダウンスウィングでは右足の強さが際立ちます。右足で地面を踏み、その反発を大きく得られている。そこで生まれた力を体全体に伝え、大きなパワーでボールにアタックできている。そして、この動きは回転力にもなり、腰や胸が開き、腕がより遠くに放り出されるような動きになるため、キレイなドローボールになるんです」

Point 1
ボールと頭の距離を離して構えている

頭を飛球方向から遠いところにしているのが特徴的。構えた時点でドローの準備完了

(PHOTO by Chris Condon/PGA TOUR)

Point 2
緩やかなインサイド軌道

適度なインサイド軌道でクラブを下ろしてくる。左腕の使い方が秀逸

(PHOTO by Chris Condon/PGA TOUR)

月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より

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