【江連忠のPROJECT E】Vol.241 ジョニー・ミラー「下半身を大きく柔らかく使うから上体が力まない」
片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Blue Sky Photos、Hiroyuki Okazawa、GD写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島
●今月のレジェンド●
ジョニー・ミラー
1947年アメリカ生まれ。PGA25勝(メジャー2勝)。188センチの長身を生かした飛距離が武器。現役引退後はテレビ解説者として長く活躍した
軸はキープしながら
下半身は攻める
ジャック・ニクラスの影響を受けたとされているミラーは下半身の使い方にエネルギーが溢れている個性的なスウィングです。ひざを柔らかく左右に動かしながら打っていますが頭の位置は左右にはブレず、結果的にフォローからフィニッシュが“逆Cの字”になってハイボールを生み出しています。
とくにインパクトに向けて左ひざは大きくスライドしていますが、インパクト直後にはひざが伸びているのでエネルギーは逃げていません。
そして頭が左右にはズレずにインパクトでかなり沈み込んでいますが、肩が縦回転しているのでアッパーブローに高く打ち出すことができるのです。
インパクトで上体が伸びないため、アイアンの精度も高く「120ヤードのPWのショットは全部OKにつけられる」というほどでした。
下半身をここまで大きく動かす選手は今ではほとんどいませんが、アマチュアのみなさんは下半身が動かずに上体が力んでしまう人が多いので、この躍動感ある下半身こそ真似してみると無駄な力みが取れますよ。
左ひざから切り返すとタメができる
多くのアマチュアは下半身が動かないから上体で打ちにいき、クラブが早くリリースされてしまう。ミラーのように左ひざで切り返すと上体の力みが取れてクラブは遅れてくる
ミラーの系譜を継ぐのはこの選手
ジャスティン・トーマス
肩を縦回転させてハイボールを打っている
腰は大きく横回転しているが肩は縦回転なのでアッパーブローに振り抜けている。両ひざの間隔があまり変わらないのはミラーと対照的
江連忠
1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた
月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より
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