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【江連忠のPROJECT E】Vol.236 リー・トレビノ「前傾が崩れないからインパクトゾーンが長い」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

リー・トレビノ

1939年米国生まれ。PGA29勝(メジャー6勝)、その他60勝。プロ入り前には海兵隊員として沖縄でゴルフをしていた


現代の道具を使っても
活躍できるスウィング

170センチと小柄ながら完璧にコントロールされたフェードボールを武器に活躍したトレビノ。モー・ノーマンやベン・ホーガンに並ぶほどの歴史に残るショットメーカーだと思いますが、その要因はインパクトゾーンの長さにあります。

現代では最先端と言われるサイドベンドの強いスウィングですが、当時はこの動きはかなり個性的と言われていました。


このスウィングは意識して作ったわけではなく、とにかく視線をボール位置から離さずに振り切るからフォローでも前傾角が崩れずにインパクトゾーンが長くなるのです。

僕がトレビノのスウィングでもっとも好きなのはバックスウィング。彼は右ひざを内側に入れるフォワードプレスをキッカケにしてリズム良く体でクラブを上げます。手を使って上げないからコンパクトに収まりますが、これならバックスウィングに悩むということがなく、それがショットの再現性に繋がっていました。

シャットフェースでコンパクトでサイドベンドという、現代でも通じるスウィングだったというのが面白いですね。

トレビノ’s Swing
打った後も地面から視線を外さない

インパクト以降もボールがあった場所から視線を外さずに振り切ると、前傾角が保たれてインパクトゾーンが長くなる。インパクトと同時に顔と体が起きてしまうと球を押し込めない

トレビノの系譜を継ぐのはこの選手

蟬川泰果

強いサイドベンドで球を長く押し込んでいる
上体が起き上がらないからクラブをストレートに下ろすことができ、そこから前傾角が保たれたまま左に振り抜いてフェードを打っている。インパクトで球を押し込めるから強い

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より

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