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【名手の名言】リー・トレビノ「ゴルフは恋愛みたいなもの。とことん真剣にならなければ面白くない」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、「スーパー・メックス」と呼ばれ一世を風靡したリー・トレビノの言葉を2つご紹介!


ゴルフは恋愛みたいなもの。
とことん真剣にならなければ
面白くない。
そして本気で真剣になれば
心は千千乱れ、かきむしられる

リー・トレビノ


ゴルフは恋愛にたとえられる。ちょっとお遊び程度にやっても楽しめるが、真剣になればなるほど、深みにはまっていく。

なぜ思うように真っすぐ飛ばないのか、なぜ毎回ダフってしまうのか、なぜたった1メートルのパットを決められないのか……。

練習場で何も考えずにポンポン打っているときは難なく打てるのに、寝る前の仮想ラウンドは上手くいくのに、ひとたびコースに立つと、途端に思い通りにいかなくなる。

「得てしがな…」と思えば思うほど上手くいかないのはゴルフも恋愛も同じ。そして心がかきむしられ、もうこんな思いはしたくないと思っても、自分を磨き、弱点を克服し、身なりを整え、また懲りずにアタックしていく。

この過程を苦しいと思うか、楽しいと思うかは人それぞれだが、いずれにしても、いくつになってもやめられない、ある種の中毒性をもったゲームであることは間違いない。


この世には
長続きしないものが2つある。
車を追いかける犬と
パーを求めてパットするプロだ

リー・トレビノ


渋野日向子が優勝した2019年の全英女子オープン。ウイニングパットは6メートルの下り。決めれば優勝、外せばプレーオフ、3パットすれば敗戦、という状況のなか、渋野は信じられないほどの強さでボールをヒットし、ど真ん中からカップインさせた。カップを外せばどこまで転がっていたか分からない。

「プレーオフになったら負ける気がする」と感じていた渋野にとっては、入れるか、外すかの2択。外れたら、パーで上がろうがボギーになろうが同じ。であれば、ラインを消して強く打ち、外れたら仕方ないと思って打つしかない。この覚悟が最高の結果を生んだのだった。

もちろん、プロであれば、時に保険をかけ、悪くてもパーで上がれる選択をすることも必要だろう。しかしトレビノいわく、パーを追い求めるプロは長続きしない。勝負所で、リスクを覚悟でいかに貪欲にバーディを奪い獲りにいけるか。それが、プロの世界で長くトップでいられるプレーヤーの資質というわけだ。

賭けゴルフで勝負強さに磨きをかけてきたトレビノらしい言葉ともいえる。

■リー・トレビノ(1939年~)

米テキサス州生まれ。母親と祖母に育てられたトレビノは、家計を助けるため、小学生の頃からショートコースで働いていた。見よう見まねでゴルフを覚え、当時は極端なフックボールを打っていた。しかし、60年、ベン・ホーガンの練習を見てからフェードヒッターに改造し、プロ入り。兵役で沖縄の基地にいて、レッスンプロをしていたこともある。ツアー通算29勝、メジャーは全米オープン、全米プロ、全英オープンを各2勝ずつで計6勝を挙げる。マスターズだけ獲っていないのだが、白人優越主義の強かった時代であり、積極的に出ようとはしなかった。

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