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【名手の名言】ボビー・ジョーンズ「長い目でみれば“運”というものは誰にでも平等公平なものだ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は球聖と呼ばれたレジェンド、ボビー・ジョーンズの言葉を2つご紹介!


人生の長い目でみれば
「運」というものは
誰にでも平等公平なものだ

ボビー・ジョーンズ


後年「球聖」と呼ばれたボビー・ジョーンズは、若い頃は短気であった。自分の思う通りにいかなかったら、クラブを叩きつけ悔しがったという。

しかし、「オールドマン・パー」を発見し、「ゴルフは人との闘いではなく、自分とコースとの闘い」という本質を見抜いてからは、冷静に自分を見つめる「傍観者」になった。

この言葉も、そんな傍観者だからこそ生まれたのだろう。

確率的にいえば、幸運と不運は一生の間に同じ数だけ訪れるはずのもの。

しかし例えば、ショットが木に当たったおかげでOBを免れた場合、よかったとは思うものの、それを「幸運」とまで思うゴルファーは少ないだろう。

逆にナイスショットをしていながらディボット跡に入ったりすると、不運を嘆き、不幸をアピールする。実際には不運なことと同じ数だけ幸運があったはずなのだが、そちらはカウントされないことが多い。

幸運も不運も必ず同じ数だけやってくると思えば、不測の事態に一喜一憂することなく、自分がおかれた目の前の一打に全力を尽くすことができる。

どちらのほうが良い結果が伴うかは、火を見るよりも明らかであろう。


ゴルフは左手のゲームである

ボビー・ジョーンズ


ゴルフスウィングは右手が主導か、それとも左手主導か、という議論は今でも語られることがあるが、実は100年以上も前からこの議論は存在していた。

かのボビー・ジョーンズは、1920年代に、すでに次のような言葉を残している。

「古典派のプロたちはゴルフのストロークは左手ですると主張していたが、私も同感だ。左手でショットをしたと感じたときは、球筋は飛球線ラインを外れたことはなかった」

また、次のようにも語っている。

「ゴルフは左手、との実感を得たのはイギリス・サニングデールの練習ラウンドを66で回ったときだ。このときアイアンのコツというものを体得したが、そのコツとは左手で打ちつらぬくということだ」

当然のことながら、両手で握っている以上、クラブの動きを両方の手でしっかりと制御する必要があるが、右利きの人はどうしても右手が悪さをしてしまうことがある。100年以上も右手・左手の議論が続いているという事実こそが、その難しさを物語っているといえよう。

■ボビー・ジョーンズ(1902~71年)

米国ジョージア州アトランタ生まれ。父親がゴルファーで生家も庭がゴルフ場続きでもあり、5歳で自然にクラブを握る。14歳で全米アマ出場後、数々の選手権に優勝。1930年には世界の4大タイトル、全米、全英両オープン、両アマに優勝、年間グランドスラムを達成。この記録はいまだに破られていない。全英オープンに勝ち、祖国に凱旋した時は国民的英雄となった。これを契機にアマのまま引退。故郷アトランタに戻り弁護士活動の傍ら、オーガスタナショナルGCを設立、マスターズ・トーナメントを主宰した。

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