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ドライバーが折れちゃった! 交換、修理、そのまま使う…規則上の正しい処置は?【これだけゴルフルール】

2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回は、ゴルフクラブにまつわるルールの疑問をご紹介!

ラウンド中にクラブが破損! さて、どうする?

球を打ったらネックが折れてヘッドが飛んでいった。木の根元から無理に打ったらシャフトが曲がってしまった。長くゴルフを続けていると、一度くらいはラウンド中にクラブが破損してしまった経験がある人もいるのではないだろうか?

もちろん最初に頭をよぎるのは「保険に入ってたっけ?」など、新しいクラブをどう手に入れるかについてだろうが、今回のお話はクラブが破損した際のゴルフ規則上の処置について。競技でもない限り厳密に守る必要はないが、知識として覚えておいて損はない。

まず、ラウンド中にクラブが破損してしまった場合、基本的には交換は認められない(規則4.1a)。規則上の選択肢としては、(1)損傷したクラブをそのまま使用する、または(2)できるだけ元の状態を復元するように修理して使用する、の2つ。ただし(2)の場合は「プレーを不当に遅らない範囲で」という条件つき。損傷の度合いにもよるが、その場で修理するというのは現実的ではないし、そのまま使用するのも危険が伴うので、損傷したクラブ抜きで残りのラウンドを続行するというのが実際のところ。

ちなみに、損傷の内容や原因が何であっても、そのラウンドの残りについては引き続き適合クラブとして扱われ「性能が変更された規則違反のクラブ」には該当しない。

また、他人が運転するカートにひかれたなど、損傷の原因が自分でない場合には、例外的に交換も可能となる(規則4.1b(3))。ただし、この場合もプレーを不当に遅らせてはならないので、プロの試合でスペアのクラブがすぐに用意できるような場合以外には、なかなか現実的ではない。運よくクルマの中にスペアのクラブやスリーブ付きのシャフトがあったら、ハーフ休憩中に取りにいくというぐらいだろう。

競技ではない通常のラウンドであれば、仲間から貸してもらうのが常套手段。ただ、それでまた仲間のクラブを破損してしまったら目も当てられない。なお競技においては、クラブを借りること自体NG。同伴者に限らず、同じコースでプレー中の他のプレーヤーからクラブを借りてプレーした場合、1ホールにつき2罰打(1ラウンド最大4罰打)が科せられる(規則4.1b(4))。

うっかり14本を超過してしまったら?

ラウンド時、「14本を超えるクラブを持ってスタートしてはならない」というのは、ゴルファーなら誰もが知っている基本中の基本だが、もし15本以上のクラブを持ってスタートしてしまった場合はどうなるのか。

まず、ラウンドをスタートする前であれば、誤って15本以上をバッグに入れてきてしまっても、「超過クラブを除外する手続き」を取ることで、罰を免れることができる。具体的には、クラブを除外することを同伴プレーヤーに告げるか、クラブをバッグに逆さまに入れるなどの行動を取ることなどが挙げられる(規則4.1c(2))。

一方、ラウンドをスタートしてから気づいた場合は、クラブが超過していることに気づいた時点で、上記の「クラブを除外する手続き」を取らなければならない。そして、クラブ超過の違反として、1ホールにつき2罰打、1ラウンドで最大4罰打の罰を受ける。もしクラブが超過していることに気づきながら、除外する手続きを取らなかった場合は、失格となる(規則4.1c(1))。

14本を超過してしまうミスはなかなかないようにも思うが、練習場で新しいクラブを試したあと、クラブを抜くのを忘れてラウンドしてしまうケースは起こりうる。

最近では、2017年のマスターズGCレディースで、韓国のアン・シネ選手が15本のクラブをバッグに入れたまま初日のラウンドをプレーし、2日目のスタート前にその事実に気づいたことで、クラブ超過の4罰打に加え、スコア誤記の例外規則に基づく4罰打を受け、計8罰打を科されたこともあった。

超基本のルールではあるが、さまざまなクラブをテストするプロや競技ゴルファーほど、注意を要する規則といえるだろう。

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