今日もコマッ太くん、マナブくん、キク子ちゃんの3人でラウンド。すると、ルールに関して意見が分かれる場面が。果たしてこんなとき、どう処置すればいい?

ILLUST／Tomoko Sano　TEXT／Youichi Tsunoda

コマッ太君のボールはOB杭に寄り添うように止まっていた。とても打ちにくいので、コマッ太君は杭を抜いた。だがすぐに『抜いてはダメかも』と感じて杭を戻した。コマッ太君には罰はつく?　つかない?

果たしてどう処置するのが正しい?

コ－スという自然の中に存在する人工的な物は、ルールでは多くが『障害物』と規定される。『動かせる障害物』と『動かせない障害物』があり、どちらも罰なしの救済が認められていることは、よく知られているとおりだ。

例えばペナルティエリアの縁を示す赤杭や黄杭も人工物。これは『動かせる障害物』で、簡単に抜ける場合は抜いて打てる。もちろんペナルティは必要ないよ。

でもOB杭は違うんだ。赤杭や黄杭と同じタイプの杭で、白く塗られている色だけが違うとしても、救済は認められない。OB杭は障害物ではなく、OBとコースの境を示す『境界物』だからだ。

杭以外にも、フェンスや壁などがOBの境界を示すために設けられている『境界物』に該当する場合は、それらがプレーの妨げになっても、罰なしの救済は認められない。コース外のものだから……ということだろう。アンプレヤブルなどの罰あり救済か、救済を受けずにプレーするかになる。

もしもOB杭を抜いて打つと、状態の改善で2罰打（規則8.1a）。でも19年からの新ルールではストローク前に元に戻せば罰は免れる（規則8.1c）。キク子ちゃんが大正解だよ。

『境界物』は罰なしの救済を許可しない異物。“強怪物”なんて覚え方もありかもね！

境界物のOB杭は取り除けない。抜いて打つと2罰打だけど、元に戻して打てば罰はない

月刊ゴルフダイジェスト2022年8月号より

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