【The Rules】“お先”パットがカップに嫌われて自分の足に当たった。このあとの処置は?
今日もコマッ太くん、マナブくん、キク子ちゃんの3人でラウンド。すると、ルールに関して意見が分かれる場面が。果たしてこんなとき、どう処置すればいい?
ILLUST/Tomoko Sano TEXT/Youichi Tsunoda
コマッ太くん
せっかちでうっかりでルールのミスや勘違いが多いのがたまにキズ。でも本当はマジメ
マナブくん
根っからの勉強家。ルールブックをよく読み裁定集にまで目を通している、頼れる存在
キク子ちゃん
ゴルフのプレーとルールはまだまだ勉強中。でも他人の意見をよく聞く耳を持っている
コマッ太君の最初のパットは少しだけショート。確実に入りそうなパーパットを無造作に打ったらカップのフチをクルリと回って逆戻り。ボールはコマッ太君の足に当たってしまった。このあとはどうするの?
意図的に当たったわけじゃないから罰なしでいいのでは?
わざと当たると2罰打。でも入れようとしたパットが戻るのは故意じゃない。罰なしでプレー続行では?
打球が自分に当たったら1罰打でそのままプレーだったよね?
OKの距離だからポンと打ったけど戻ってくるとは思わなかった。まいったなあ。今年一番の珍プレーだ
果たしてどう処置するのが正しい?
動いている球が人などに当たったときの対処は偶然か故意かで分けられる。偶然のときは誰に当たっても罰はない。自分やキャディや用具に当たっても無罰(規則11.1a)で、あるがままにプレーする。
ただし、球がグリーン上でプレーされた場合は少し複雑で、2019年と2023年に立て続けにルールが変更されているから注意が必要だ。
2018年までは、パットした球が自分に当たった場合、コマッ太くんの言う通り「1罰打でそのままプレー」が正解だった。でも2019年のルール改正で、「罰なしで元の位置にリプレース」と変更された。そして2023年のルール改正では、「罰なしであるがままにプレー」となった。
これについては規則11.1b(2)で詳しく書かれているが、かなり分かりづらい。分かりやすく整理すると
グリーン上からプレーされた球が“偶然”人に当たった場合……
●誰にも罰はない
●①自分自身、または②旗竿に付き添っている人に当たった場合は「あるがままにプレー」
●①と②以外の人に当たった場合は「元の位置から再プレー」
となる。あまりないケースではあるが、もしものときのために覚えておこう。
動いている球が偶然当たっても罰はない。グリーン上で自分に当たった場合は「あるがままにプレー」だよ
月刊ゴルフダイジェスト2022年7月号より一部改
※2023年のルール改正により当該ルールに変更があったため、記事を修正しています。