プレーが“遅すぎる”のはルール違反?「スロープレー」をめぐる問題【これだけゴルフルール】
2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむ上で最低限のルールは覚えておきたい。今回は「プレーのペース」に関するルールをご紹介!
ゴルフの重要な要素のひとつに「プレーファスト」がある。ゴルフは1つのフィールドで多くのプレーヤーが順番にボールを打っていくスポーツ。1人のプレーが遅くなると、その組全体が遅くなり、ひいては同じコースでプレーしているすべての組にも影響が出てしまう。
初心者の頃、先輩から「打ったらすぐにクラブを持って走れ!」と言われた経験がある人も多いだろう。そこまでする必要はもちろんないが、前後の進行も考え、できる範囲で速やかなプレーを心掛けたい。
速やかなプレーは単なるマナーではなく、規則書にも明記されたルールのひとつである。プレーを不当に遅らせた場合はペナルティの対象にもなるので、基本的なルールの1つとして頭に入れておこう。
では「プレーを不当に遅らせる」とは具体的にどういうことを指すのか。「2021-2022GOLFDIGESTゴルフルール早わかり集」より抜粋してQ&A形式で解説していく。
Q. スロープレーとなってしまう目安は?
A. 1ストローク40秒以内が目安(規則5.6)
規則では、1ストロークを40秒以内に行うことを推奨している。40秒は1ストロークを行うのに十分な時間で、通常はそれより速くプレーすることを心掛けたい。18ホールを4時間少々で回るには、毎ショット40秒かけることはできない。
Q. ラウンド中、トイレに行くことはできる?
A. スロープレーにならなければOK(規則5.6)
プレーを遅らせることがなければトイレ等に行くためにコースを離れることは違反とはならない。
Q. スロープレーの罰打は?
A. 3段階で罰が重くなる(規則5.6)
プレーを正当な理由なく遅らせた場合、最初の違反は1打罰。2回目の違反は2打罰、3回目の違反で失格。違反がホールとホールの間で起きた場合、罰打は次のホールに適用される。
Q. プレーのペースを遅らせないために打順を変えることはできる?
A. むしろ推奨されている(規則6.4)
先にプレーすべきプレーヤーがまだ準備ができていない、トイレにいっているなど、プレーのペースを遅らせないことを目的に打順を変えてプレーすることができる。プレーのペースを遅らせないための打順変更は、安全が確認できる状況では認められているだけでなく、推奨されている。
ちなみに、一般的なテレビCMが15秒なので、40秒はCM2回分よりも長い。「急がなきゃ!」と思って焦って打つと、ミスをしてかえって進行が遅れる原因に。自分の番が来るまでにしっかりと準備を整え、順番が来たらリズムよくプレーすることを心掛けよう。
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