【本当にあったルールの話】Vol.27「ボールが動物の糞に寄りかかって止まっていた。取り除くことはできる?」
本当にあったルールの話
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira


中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中

阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2018年に開催されたJLPGAステップ・アップ・ツアーANA PRINCESS CUPは、北海道にある自然豊かな早来カントリー倶楽部で行われました。3番ホールはパー5で、ティーショットのランディングエリアの左側には木が数本あり、ある選手の球がその木の下にあったアライグマの大きな糞に寄りかかって止まっていました。
Q. 動物の糞に球が寄りかかっていた。こんなときどうする?
A. 動物の糞はルースインペディメントなので罰なしで取り除くことができる
選手は呼んだレフェリーにその糞を取り除いてほしいと要求しました。そもそも動物の糞はルースインペディメントであり、そのルースインペディメントを取り除いた影響で球が動けば1罰打を受け、元の箇所にその球をリプレースしなければなりません(規則15.1b)。そのため、レフェリーはゴム手袋を選手に渡し、その糞を取り除くのであれば選手自身が行い、球が動かないように注意することと、全て取り除く代わりに糞の一部を取り除くことができることを伝えました(規則15.1a)。すると選手は、ゴム手袋をはめて意を決したように糞を取り除き、動かなかったその球をあるがままにプレーしました
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2026年1月号より


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