【本当にあったルールの話】Vol.19「プレーの線上にスプリンクラーヘッド! 救済は受けられる?」

JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira


中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中

阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2024年リゾートトラストレディスの1ラウンド目。プレーヤーの球は、勾玉の形をした16番グリーン上の奥にありました。グリーン右手前に位置するホールに向かってプレーするには、カラーにあるスプリンクラーヘッドがプレーの線上にあり、プレーヤーはパターとSWを手に、救済が認められるかわからずレフェリーを要請しました。
Q. スプリンクラーヘッドがプレー線上にある。こんなときどうする?
A. 「異常なコース状態」の救済を受けることができる
パッティンググリーン上に球がある場合に限り、スプリンクラーヘッドなどの異常なコース状態がプレーの線上にあるときは救済が認められます(規則16.1a)。
救済をする際の完全な救済のニヤレストポイントは、パッティンググリーン上かジェネラルエリアのいずれかでなければなりません(規則16.1d)。
このケースでの完全な救済のニアレストポイントはカラーとなり、プレーヤーはその地点に球をプレースしてSWでプレーしました。
2019年より前は、ローカルルールで定めていなければこの救済は認められませんでしたが、今は一般の規則で認められるようになりました。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2025年5月号より