【本当にあったルールの話】Vol.18「ホールアウト後に球が動かされていたことを知った。こんなときどうする?」

JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira


中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中

阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2016年リゾートトラストレディスの3ラウンド目。2番グリーンでホールアウトして3番ティーに向かっていた組が、観戦していたギャラリーに呼び止められました。そのギャラリーは、「グリーンに止まっていたプレーヤーAの球は、セカンド地点から打ったプレーヤーBの球に当てられて30センチほど動いた」と言いました
Q. ホールアウトをした後に球が動かされていたことを知った。こんなときどうする?
A. 知らなかった場合はホールアウトしたスコアが採用される
プレーヤーAは、グリーン上でパットをする前にBのショットによって自分の球が動かされていることを知りませんでした。この場合、実際に動かされたことが事実だったとしても、パットをする前には知らなかったことなので誤所からプレーしたことにはなりません。Aに罰はなく、その球でホールアウトしたスコアがそのまま採用されます(規則9.6)。
もしギャラリーが、Aがパットをする前に伝えたのであれば、Aは球が止まっていた元の位置にリプレースしてプレーをしなければいけません。またBの球は、Aの球に当たって止まったところからプレーしなければなりません(規則11.1b)。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2025年4月号より