【本当にあったルールの話】Vol.12 2つのOB杭の間に、倒れたもう1つのOB杭が……これってOB? セーフ?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
今年のVポイント×ENEOSゴルフトーナメントの2日目。17番グリーン奥に止まった球がOBかセーフかを判定するために、プレーヤーはOB杭からその先にあるOB杭のコース側を地表レベルで線を結んで確認しました。その結果、球はOBだったのですが、杭と杭の間にもう1つのOB杭が深いラフに倒れていたことに気付き、そのOB杭が立っている状態ならばセーフでした
Q. 2つのOB杭の間に、倒れたもう1つのOB杭を発見。OB杭を戻してもいい? ダメ?
A. 元の位置にOB杭を戻し、コースの境界線を直す
このような場合、倒れていたOB杭を元に戻してOBの境界線を元どおりに復活させるべきです(2016裁定集33-2a/19)。ただし、先行組のプレーヤーのうち1人でもOB杭が倒れている事実を無視してプレーした人がいると委員会が知った場合、その競技の残りのラウンドについてもOB杭を元に戻さず、OB杭が抜かれたままの境界線で終えるべきです。
このケースでは、倒れていたOB杭を無視してプレーした選手はいなかったので、その杭が立っていたであろう穴に戻して、プレーヤーの球をインバウンズと裁定しました。競技を行ううえで、OB杭が倒れていないか等のコースチェックを行うことは委員会の重要な業務の1つです。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より
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『ゴルフルール早わかり集2023-2024』