頑固おやじのクラブ工房 Vol.10 グリップの相性がわからない! 素材、太さ、それとも握り方?
グリップだけで「振りやすさ」「打ちやすさ」が大きく変わる! オヤジさんの言葉に聞き耳をたてよ! 通勤GD「頑固おやじのクラブ工房」 Vol.10。
Q、グリップの選び方を教えてください
寒いとグリップがズレる感じがするんですが、先日、上級者のクラブを振らせてもらったら、少しグリップが太い感じで全然ズレない。それからグリップが気になっているんですが、どう選べば?(47歳・HC14・自営業)
A、素材よりも形状に注意
年末年始、打ち納めだの、打ち初めだのと理由をつけてラウンドに出る人、ウチの常連さんには相変わらず多い。年がら年中ラウンドしてるんだから、こんな時ぐらい休めばいいのに、とか思うんだけどね(笑)。
「グリップ、太いと滑りにくくなるんですか」
この常連さんは、練習場にはよく行くんだけど、ラウンドは月イチ。仕事の関係で、遠出する時間が取りづらいらしい。
「太いも細いも、握り方やクラブの動かし方によるかなあ……。急に、どうしたんだよ」
「いや、年末のコンペでたまたまハンディ7の人と回ったんですが、その人のグリップが少し太い感じで。握らせてもらったら、手がかじかんでいても全然滑らないし、すごくしっくり来たんです。で、それからグリップの太さが気になっちゃって……」
「やっと気づいたかい。そうだよ、グリップ選びは重要なんだ。今どきのやさしいクラブでミスショットするなんてのは、グリップが合ってない、てことさ」
「エーッ、オヤジさん、そんなこと全然……」
「言っても聞かないだろ、すぐにクラブ買い替えるようなヤツにはさ(笑)。まあ、いい機会だから
選び方、教えてやるよ」
今どきのグリップは弾力、滑りにくさではどんな素材でもすべて合格点。重さはいろいろ考え方が
あるけど、まず注意すべきは、太さも含めた“形状”なんだ。
右手の太さとバックライン
大抵の人は、初心者でもなけりゃ自分のグリップ、固まってるだろ。そうなると、もうなかなか変えられない。
だから、道具のほうをいじって合わせる。そうすると、握り方もそれに馴染むように変わる。グリップ選びは、この繰り返しなんだ。
「で、ポイントになるのが“回しやすさ”なんだ」
「“回しやすさ”……ですか」
「そう。グリップを選ぶ目的は、ヘッドの回し方とフェースの向きを、いかに上手くコントロールできるか、なのさ」
グリップが滑る、ていうのは、抜けそうで怖い、じゃなくてヘッドが思うように回せない怖さ。よく、グリップにタオルを巻きつけてモコモコにして振るレッスンとかあるけど、あれでまともに当たるなら、グリップはなんでもいい。
でも、プロだって実際のラウンドでは無理。コントロールが利かないからな。
「まあ、単純に言えば、フェースが開くのを抑えたり、開いたのを閉じたりするのを“感じやすくす
る”てことかな。そういった動きがオートマチックに、無意識にできるようになるといいんだ」
「それが“回しやすさ”?」
「たとえば太さ。細いとギュッと握り込めるけど、回しにくい。逆に太いほうが、テコの原理で回し
やすい。だから、大型ヘッドになってから、米ツアーで右手が太めのグリップが流行るようになった
んだと思うよ」
「ああ、ゴルフプライドの『プラス4』みたいな」
「太いと握り込めない頼りなさがあるかもしれないけど“回す”イメージで持つと、これが結構いい。それと、バックライン、背張りだな。あれが指のどこにかかるかでも、回しやすさは変わってくる」
「バックライン、あったほうがいいんですか?」
「グリップをまん丸にしない、唯一ルールが許してくれた“面を感じ取れる”要素なんだから、あっ
たほうがいいと思う。少しねじって、指に合わせるともっといい」
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)