ドライバーの調子がいい日はアイアンがいまひとつ。逆にアイアンがいい日は、ドライバーが曲がってしまう……。誰もが経験するこの現象、いったいなぜ起こるのか?　解決する方法はあるのか?　その謎に伊丹大介プロにお答え!

PHOTO／Yasuo Masuda　THANKS／鎌ヶ谷CC

解説／伊丹大介

いたみだいすけ。1976年生まれ。宮城県出身。千葉と埼玉でアマチュアのレッスンを展開するサウスゴルフアカデミーのエグゼクティブアドバイザー。ツアープロによるラウンドレッスンをプロデュース中

原因は“最下点”の違いにあった

GD　ドライバーとアイアンは、両方とも調子がいい日って、本当にありませんよね。片方がいいと、もう片方がおかしい。なぜ、そうなるんですか?

伊丹　ドライバーとアイアンは、ナイスショットの最下点が違うからです。ドライバーはボールより右で最下点を迎えたときにナイスショットになりますが、アイアンはボールより左が最下点でなければ上手く打てません。

GD　たしかに、そうですね。

伊丹　たとえば、ドライバーがよく飛ぶ日は、最下点が右になっているんですよ。最下点を右にすると気持ちよく振れる、と言ってもいいかもしれません。それで、アイアンでも最下点が右になってしまって、ダフリが出るという仕組みです。逆に、アイアンの調子がいい日は最下点が左になりがちで、ドライバーもアイアン的に最下点を左にして打ってしまって、球がつかまらない! ということになるわけです。

GD　そういうことですか!

伊丹　プロや上級者は最下点を意識しているので、ドライバーは最下点が右に、アイアンは最下点が左に来るように振っています。

GD　スウィングを変えているんですか?

伊丹　それをやるとスウィングがバラバラになるので、ボール位置や手元の位置、重心のかけ方などを変えて対応します。スウィングはひとつですから。

ドライバーとアイアンは最下点が違う!
ドライバーは、ボールより右で最下点を迎え、ややアッパーに打つとナイスショットになる。アイアンは、ボールより左で最下点を迎えると、ダウンブローに打てナイスショットになる。ドライバーとアイアンの“当たり”は、この最下点の違いに大きく影響される

アイアン＝最下点が右にズレる

「アイアンの最下点はボールより左ですが、調子のいいドライバーに引っ張られて、知らず知らずのうちに最下点が右にズレてしまいます。これが、アイアンの当たりが悪くなる原因です」（伊丹）

【ミスショット】
最下点がボールより右にズレている

頭の位置を比較すると、明らかに右にある。右足体重のまま打っているため、最下点が右にズレる

【ナイスショット】
最下点がボールより左にある

ボールの先のターフを取るダウンブロー。頭がボールの真上にあり、左足体重でインパクトしている

ドライバー＝最下点が左にズレる

「ドライバーは最下点がボールより右でなければナイスショットできませんが、アイアンをダウンブローに打った影響で、最下点が左にズレてしまいます。そのため、ボールがつかまらなくなります」

【ミスショット】
最下点がボールより左にズレている

アイアンのように、頭がボールの真上に来て、左足体重でダウンブローに打っている。そのため、最下点はボールより左

【ナイスショット】
最下点がボールより右にある

ヘッド・ビハインド・ザ・ボールで、しっかりと頭を右に残して打つことができれば、自然に最下点は右になる

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週刊ゴルフダイジェスト2022年11月22日号より