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【イザワの法則】Vol.25「スウィング軸はどこに置くのが正解?」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」第25回。以前は、軸を主題としたゴルフ理論が多かったが、最近はあまり聞かなくなった。とはいえ、軸の重要性が失われたとは思えない。伊澤プロが考える、軸の「正解」とは?

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM) PHOTO/Hiroaki Arihara

前回のお話はこちら

ショートアイアンでも
インパクト時の軸は真ん中より右足寄り

タイガー(・ウッズ)が、ケガをしてツアーから長期離脱する前、「左1軸」スウィングを試していたことがありました。その頃、「スタック&チルト」という、左1軸スウィングの理論が、PGAツアーで「流行って」いたんですが、当時から思っていたのは、「あり」か「なし」かでいうと、「なし」じゃないかということです。とくに、ドライバーを基準にしてスウィングを考えると、左1軸だとヘッドが上から入りすぎてしまう。現代のドライバーというのは、とにかくヘッドを上から入れたくないんです。ゆるやかなアッパーブローが理想で、レベルブローでもいいですが、ダウンブローはダメ。打ち出し角も稼げないし、スピン量も増えてしまうので、性能通りの飛距離は出なくなってしまいます。

じゃあ、アイアンだったら左1軸も「あり」かというと、これも私の意見では「なし」だと思っています。アドレスでの体重配分でいうと、8番くらいまでは左右5:5で、そこから長くなるにつれて右6:左4に近くなっていきます。つまり、8番以下でもインパクトの軸は体の中心付近ということで、決して左足寄りにはならないんです。逆に長いクラブは、インパクトでの軸も右足寄り。もし、ドライバーからアイアンまで、右か左、どちらかの軸でしか打っちゃいけないとなったら、自分なら絶対に「右」を選びます。左軸でドライバーを打つと、やはりスピン量をコントロールできそうにないですし、ドライバーの飛距離ロスは、今のゴルフ界では、いちばんのディスアドバンテージとなるからです。


ダウンスウィングで左に体が揺れると
パワーロスが大きい

アマチュアには、左右に体を揺さぶって打つ、以前は「2軸」と呼ばれていたスウィングの人も多くいます。もし、確信を持って体を揺さぶっているのではなく、単に「揺れてしまっている」のであれば、今すぐやめるべきです。スウィング中の横ずれが大きくなるほど、確実にパワーロスが生じるからです。とくに左へのずれが多いと、ヘッドスピードは上がりにくいです。

右に少しだけ動く、という場合は、ダウンスウィングでうまく右重心を維持したまま振れれば、むしろヘッドスピードは上がりますし、つかまりがよくなる可能性もあります。そのことをわかっていて、あえてテークバックで右に動くのは「あり」ということです。ただ、私が見てきた限りでいうと、右に動いてしまったら、揺り戻しで左にも動いてしまうアマチュアが圧倒的に多いです。

軸を考える場合、左右だけでなく、前後の意識も必要です。よくいわれるように、「首の付け根」を通る背骨の軸というのが、実際のところほぼ「正解」で、背中側に軸をイメージするとなぜいいかというと、テークバックで上体が右へ、ダウンスウィングからフォローで左へと、自然な形で動くからです。仮に、首の「前」に軸を持ってきてしまうと、テークバックで上体が左に、フォローで右に、という感じで、いわゆる「ギッタンバッコン」の動きになるのがわかると思います。

結局、今の「流行り」は何かというと、ジャスティン・トーマスや、DJ(ダスティン・ジョンソン)のスウィングなんかは、切り返しで少し右に入るような動きがあったりしますから、「右軸」が流行りなんだと思います。でも、ジャンボ(尾崎将司)さんは、昔から「左に動いたらダメだ」って言ってましたけどね(笑)。

「アイアンもほとんど右軸でインパクトしている。
左軸だとロフトやスピンのコントロールが難しい」

ドライバーからアイアンまで「右軸」

切り返しからインパクトの瞬間までは、ひとつの軸を中心に回る必要がある。伊澤プロは、その位置がドライバーからアイアンまで「右足寄り」。ショートアイアンで、いちばん左足寄りになっても「中央付近」という。左軸はスピンコントロールが難しい

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より