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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.46「ゴルフもグルメも“食わず嫌い”はもったいない! なにはともあれ試してみよう」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

例えば、あなたがブラック企業に勤めていて、悩んでることを誰かに相談したら「会社を辞めて、起業すればいいじゃん」とアドバイスされたとする。そのとき、あなたはどんな反応をするか?

「そんな簡単に言わないでよ。起業なんてできないよ」と思うか、あるいは、「なるほど、そういう考えもあるよね。やってみようかな」と思うか……。おそらく、大抵の人が前者だろう。

起業するには人脈も大金も必要なので大変だ。「できない」と思うのは当然かもしれない。では、それをゴルフで考えてみたらどうだろうか?

ボクはよくゴルフに関する相談を受けることがある。「シャンクが止まらない」「飛距離が出ない」といった悩みに「じゃ、こうしてみれば?」と僭越ながらアドバイスをする。すると、「そんなのできないよ」と言われてしまう。

なんで? ボクはその「できない」と思う感覚がわからない。

そういうと、シングルはアベレージゴルファーの気持ちがわからない、と憤慨するかもしれない。でもそうじゃない。ボクだっていきなり上達したわけではない。高校で初めてゴルフ部に所属したとき、周りはすでに上級者ばかりだった。そのなかでボクはひとり落ちこぼれ。これでも、ここまで上達するのに結構、苦労した。ただ、そのときも不思議と「できない」と思うことがなかった。だから、ありとあらゆることを試した。その結果、常識的には「それどうなの!?」と思う動きも、やってみると意外とうまくいく場合も多かった。

そうして完成したのが、今のスウィング。決して美しいスウィングではない。どちらかといえば、変則スウィングの部類に入るだろう。とくに、アプローチはひどい(笑)。フェースをかぶせて、クローズに構え、インサイドストレートに打つ──普通は絶対そんなふうに打たないだろう。でも、ボクがやると意外とまっすぐ飛ぶのだ。

知人Mさんのスウィングもかなりヘンテコだ。でも、普通に60台で回る。そんなMさんの辞書にも「できない」という文字はないだろう。多少ヘンテコでも、自分に合えばそれでいい。そうやって、なんでも試してみた結果、60台で回れるほどの技術を身につけたのだ。

「できない」は食わず嫌いと一緒だと思う。ウニを食べたことがないのに「嫌い」という人がいたら、もったいないと思うだろう。そして 「一回食べてみたらええやん」って言いたくなるはずだ。実際食べてみて、本当に嫌いだったら仕方ない。でも、食べてみたら美味しいと思うかもしれない。あるいは、生はダメだけど、軽く火を通したウニのパスタならイケる、と新たな発見をするかもしれない。

ゴルフも一緒だ。食わず嫌いをなくし、とりあえず試してみたらいいと思う。そうすることで、プレーの幅が広がること間違いなし。やらない後悔よりもやった後悔のほうがいいと思いませんか? 少なくとも、僕はそう思うね。

食わず嫌いでやらないのはもったいない。とりあえず一度やってみて、そこから取捨選択しよう


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年10月31日号より