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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.43「上達するならキレイなマットより“削れた”マット!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

以前フェイスプックに溜池に打ち込むタイプの練習場を載せたら「こんな練習場あるんですか!? という驚きのコメントをいただいた。溜池の練習場は、西日本では全然珍しくないんだけど、東日本ではあまりないらしい。「池ポチャを連想する」とか「ランがわからない」という理由で嫌いだという人もいるけど、ボクは風情があって好きだな。

逆に、東日本に多いのは鳥カゴ練習場。土地が少ない東京、そして積雪のある北国に多いと聞いた。実際、国体で岩手県に遠征したとき、えらい設備の整った鳥カゴ練習場があって驚いたわ。なんと、そこは弾道計測器まで使えて、2時問打ち放題で1500円! 感動したわ。確かに、鳥カゴは解放感がない。でもその分、スウィングづくりにはもってこいだと思う。

広い練習場だと、球の行方ばかりが気になって、スウィングが崩れることがある。例えば、左に曲がったら、「次は左に曲がらんように」といってスウィングを修正する。でも、修正しすぎて右に曲がりすぎ、今度はまた左に行くようなスウィングに戻す。これを繰り返すうちに、わけがわからなくなる……なんてことも。

もっとも、鳥カゴでもネットに当たった場所や跳ね方を見れば、球筋はだいたい想像つくんだけどね。基本的に真下にボトっと落ちたら、真っすぐ飛んでいる証拠。左に跳ねたらスライス。ただし、ヘッドスピードが遅いと、当たった衝撃が弱いので、逆に跳ねることがある。まあ、その辺の見極めが難しいので、基本的にはあまり気にせず、スウィングづくりに徹するのがいいと思う。

目印をボールの手前に置いてダフらないような練習や、ボールの先に置いて、大きいフォローをとる練習をしてもいい。万が一、目印が飛んじゃっても、鳥カゴなら拾いにいけるからね。

あとは、アプローチ練習もグッド! ボクが鳥カゴで練習するときは、それに徹する。キャリーで5ヤード、4ヤード、3ヤード……といろいろな距離を、いろんなクラブで打ち分ける練習をするんだ。マットがキレイだと気分がいいし、何時間でもいられる。

でも、マットの状態がいいとボールが浮いていて、多少ダフっても気づかないので要注意だね。それを見極めるためにも、ボクはあえて削れたマットで練習することもある。極端に削れていて下地が出ている状態だと難しいけど、少しすり減っているくらいなら、積極的に削れたところや、削れた先にボールを置くようにする。ちょっとでもダフったらアウト。逆に、それを嫌ってトップするのもダメ。とにかく、クリーンにヒットしない限りナイスショットの手ごたえを感じられないから、よりシビアな入射角が身につくんだ。

みなさんも、ときにはこのようにシビアな練習を楽しんでみては? なんて、決してうちの練習場にある削れたマットの言い訳じゃないですからね(笑)。

キレイなマットだとソールが滑ってヘッドが抜けやすいが、汚いマットだとミスになる。シビアな状況に一変するぞ!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年10月10日号より