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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.41「本番で現れる“別人”対策! パット練習は“必ずオーバー”」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

練習場では調子がよかったのに、コースヘ出たらまるでダメということはよくある。その逆で、練習場では全然当たらなかったのに、コースヘ出たらそこまで悪くなかったということもある。ラウンド数日前の練習ならまだしも、前日、あるいは当日でも、練習と本番とで180度調子が変わってしまうのは不思議だよね。

でも、実はこれ、不思議でもなんでもないのだ。だって、コースと練習場は別物。もっといえば、練習場の自分とコースの自分は別人なのだから。ボクの場合なら、練習場の自分が慎堂だとしたら、コースの自分は“シンドウ”だと割り切るようにしている。周りを見渡しても、同一人物である場合を見たことない。練習場では到底100を打つようには見えない人でも、コースヘ出たら別人のように100を打つ。これが普通。プロだってそう。よく「前半と後半では別人がプレーしていた」なんてコメントを聞くことがあるけど、よくわかる。もう、「別人」としか説明がつかないときがあるのよ、本当に(笑)。

どうせ別人になるなら、練習なんかしても意味ないじゃん。と思うかもしれないけど、そうもいかない。やっぱり、練習しちゃうのはゴルファーの性ってもん。ボクもラウンド前にパター練習をしないなんて考えられない。必ず早めにコースへ行き、最低でも30分は球を転がすようにはしている。

ただ、ラウンド前は慎堂がうまくなる練習はしない。やるのは、別人“シンドウ”対策だ。別人シンドウは緊張のせいか、本番ではストロークが小さくなる傾向にある。加えて、練習グリーンは多くの人に踏まれているので、コースのグリーンに比べて速い。だから、練習グリーンのタッチでラウンドすると、ショートすることが多いのだ。

練習場ではつねに本番をイメージすることが大切。練習と本番のギャップがなくなるぞ

その対策として、練習グリーンではカップを狙わず、必ずオーバーさせると決めている。ちょっと強めに打つどころではない。絶対に入らないくらい、オーバーさせるのがミソだ。

だってパターで何が腹立つって、ショートしての3パットじゃない? 3パットは致し方ない。しちゃうものはしちゃう。でも、ショートはあかんよ。するならオーバーのほうが断然気分がいい。という理由で、ボクはラウンド前の練習グリーンでは、意識的に大オーバーさせて打つ練習をするのだ。目標方向は一応カップだけど、ナイスタッチやナイスオンは一切求めない! 1メートルくらいオーバーさせる勢いで打つ。

ガツンとインパクトするというよりは、振り幅、とくにテークバックを大きくするイメージが良いと思う。そうすると、慎堂とシンドウのギャップがなくなり、本番ではちょうどいい加減になるはず。結果、3パットも減る。ゴルフは自分との闘い、とよく言うけれど、それは「別人」との闘いでもあるのかな。みなさんも、パターの大オーバーで別人対策やってみて!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年9月26日号より