【飛距離が伸びる“かかと使い”】#2 体をねじる動きは不要! 足裏の体重移動だけで深いトップは作れる
吉田一尊プロいわく、体がしっかり回ったトップを作るには、「かかと」の使い方が重要だという。では具体的にどのようなイメージで体を動かせば良いのか。詳しく話を聞いてみた。
PHOTO/Yasuo Masuda、Blue Sky Photos THANKS/浜松町ゴルフクラブ
解説/吉田一尊
“飛距離アップ請負人”の異名を持つプロでユーチューブでも大人気。飛ばしに特化したレッスンが高く評価されている。自身でクラブ(グランディスタ)開発も行い、インドア練習場(浜松町ゴルフクラブ)をプロデュースするなど、多方面で活躍
>>お手本はデシャンボー?
- 飛ばしには体を回すことが大事、とよく言われるが、回したくても思うように回らない、という人も多いだろう。しかし吉田一尊プロによると、「かかと」の使い方を意識することで、しっかりと体が回るようになるという。その真意を聞いてみた。 PHOTO/Yasuo Masuda、Blue Sky Photos THANKS/浜松町ゴルフクラブ 解説/吉田一尊 ……
「ねじる」動きは必要ない
「体を回す」という概念が、今と昔では違うと語る吉田プロ。いったいどういうことか。
「昔は下半身をどっしりさせ、上半身をねじっていく動きで体を回していました。上半身をねじることで筋肉を伸ばし、捻転差を作ったうえでその反動を利用していたわけです。ですが、今の体を回すは文字通り、ただ体をクルっと回転させるだけです。ねじる動きは一切使いません。テークバックで右を向き、フォローで左を向くというとてもシンプルなものですが、この動きのカギが足裏であり、かかとにあるんです。ひざ、腰、胸、肩が同じ方向に回転するだけなので、体への負担も少なく、ケガや故障につながりづらいスウィングでもあります」
上半身をねじって体を回していたアマチュアは多いはずだが、ねじる動きは当然、体の柔軟性が不可欠。歳を重ねれば体も硬くなり、ますます体が回らない、という悪循環に陥るのも無理はない。だが、そもそも体を回すためにねじる動きは必要ないのだ。
「まずは足裏、とくにつま先とかかとを意識してみてください。テークバックでは、左足のつま先と右足のかかとに体重をかけるイメージです(左足はヒールアップしてもOK)。これだけで体は簡単に右へ回転するはずです。あとはひざや股関節をその動きに同調させるだけ。ポイントは股関節です。股関節は可動域の広い関節ですが、アマチュアの多くが前側の太ももの付け根を折り曲げようとしています。股関節はそもそもお尻寄りにありますからお尻側を意識することが大事です。ですからテークバックは、左足のつま先と右足のかかとに乗って、ターゲット方向にお尻を向けるような動きになります。この動きがつかめれば、どこにもねじれがない(力みもない)、体がしっかり回ったトップが完成するはずです」
吉田プロの話とB・デシャンボーの動きは、見事にリンクしている。かかとを使うことで体がいとも簡単に回せるのだ。
左ヒールアップ&右かかと体重で体が回り出す
昔と今では「体を回す」概念が違う
「体を回す」バックスウィングのやり方
(1)左つま先と右かかとに体重を乗せる
アドレスで足裏のセンター(土踏まず)にあった体重を、テークバックで左足のつま先と右足のかかとに移動させていく。すると自然に左ひざが曲がり、右ひざが伸びる。これが最初のステップとなる
(2)左ひざは内側に入ってOK
ねじる動きは一切必要ないので左ひざは内側に入っても問題ない。ひざが流れる動きは良くないという指摘もあるが、ひざが動かないように粘ろうするとスムーズな動きを阻害する。左つま先に乗る動きと同調させながらひざを内側に入れていこう
(3)お尻をターゲットに向ける
最後が股関節だ。前側の太ももの付け根を折り曲げようとすると動きが窮屈になる。お尻を後方へ突き出すようにし、左足のつま先と右足のかかとに乗りながら、お尻をターゲットに向けていく。これでトップは完成だ
椅子を使ったシャドースウィングでセルフチェック
>>では切り返し以降はどこを意識すればいい?
- バックスウィングは、右かかとに体重を乗せることで体をスムーズに回せるというが、切り返し以降はどうすればいいのか。引き続き吉田一尊プロに聞いていこう。 PHOTO/Yasuo Masuda、Blue Sky Photos THANKS/浜松町ゴルフクラブ 解説/吉田一尊 “飛距離アップ請負人”の異名を持つプロでユーチューブでも大人気。飛ばしに特化……
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より