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【ネクストヒロイン菅沼菜々】#3「転がりのいいパット」を追求したら、アッパー軌道に行きついた

今初優勝にいちばん近いと注目されているのが菅沼菜々だ。そんな菅沼菜々のスウィングは、“菅沼家の教え”ともいうべき独特の理論から生まれたものだった。スウィングだけでなく、パッティングにも秘密の練習法があるという菅沼。詳しく教えてもらおう

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/八王子CC

菅沼菜々
すがぬまなな。2000年生まれ。東京都出身。父親の見よう見まねで5歳から始めたゴルフで、みるみる頭角を現わし、2017年、日本ジュニア優勝。プロ入り後は、2020-2021年シーズンに初シード獲得。いま初優勝にもっとも近いといわれる22歳。あいおいニッセイ同和損保所属

菅沼真一

菅沼菜々の父でありコーチ。ときにやさしく、ときに厳しく。アマチュアゴルファーでありながら、菅沼菜々をシード選手にまで育て上げた

●CONTENTS●
#1 個性を生かす“4つの教え”
#2 調子が悪いときに行う“3つのドリル”
#3 転がりのいいパットを秘密は“アッパー軌道”
#4 安定スウィングの秘訣は“キックボクシング”

転がりのいいパットを徹底追求

GD パッティングでは、どんなことを考えてストロークしていますか?

菅沼 いつもボールに細い赤い線を描くんですが、その細い線がブレずに真っすぐ転がっていく、そんな転がりのいいボールを打つことに集中しています。

GD どうすれば打てるのでしょうか?

菅沼 小学生の頃から使っている練習器具があって、その器具で練習しているうちに、だんだん身についてきたんですが、感覚的には、フェースにボールを乗せて転がしていく感じなんですよ。

GD ボールをフェースに乗せる?


菅沼 実際にはあり得ないのかもしれませんが、そういう感覚なんです。そのために、少しアッパー軌道でストロークしています。出球のスピードはゆっくりでも、球足が伸びる転がりのいいボールが打てたら、カップイン率は必ず上がりますよ。

転がりのいいパットのポイント1
ボールに入れた線が真っすぐなまま転がる

「出球は速くなくても、順回転で転がる球足の長いボールが理想です。そのため、パチンとボールを弾くのではなく、感覚的にはボールをフェースに乗せて押し出していくイメージです。ボールに描いた細い線が真っすぐ見えるか、いつも転がりをチェックしています」(菜々)

転がりのいいパットのポイント2
アッパー軌道でフェースにボールを乗せるイメージ

「転がりのいいボールを求めているうちに、ややアッパーにストロークするようになりました。フェースにボールを乗せて転がす感覚でストロークすると、バックスウィングよりもフォローが大きくなるのが自然なんです」(菜々)

Drill 1
「トゥループレーン」で理想の軌道を染み込ませる

「小学生の頃からずっと続けている練習法です。この『トゥループレーン』という練習器具に沿ってパターを動かすだけで、ごくわずかなイン・トゥ・イン軌道になって、自然とフォローも大きくなります。理想的なアッパーストロークが体感できるんです」(菜々)

Drill 2
「ザ・レール」でスクエアインパクトを身につける

「『ザ・レール』という細いレールの上を最後までボールが落ちないように転がす練習です。インパクトのフェース向きが100%スクエアでなければボールが落ちてしまう、プロでも超難しい練習です。ショートパットに抜群の効果があります」(菜々)

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より