Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【右手と左手、どっちが大事?】永井延宏「現代のスウィングは右サイドを軸にした回転が主流」

【右手と左手、どっちが大事?】永井延宏「現代のスウィングは右サイドを軸にした回転が主流」

ゴルフのスウィングでは、左手のリードが大事と言う人もいれば、右手の感覚が大事と言う人もいる。いったいどっちが正しいのか? 永井延宏コーチに話を聞いた。

現代スウィングの主流はホアキン・ニーマンだと永井氏。「フォローでは腕を巻き付けている感じ。腕に遠心力をかけないスウィング。リリースすると不確定要素が増えるんです。PGAの若手選手もですがアメリカの大学のトップ選手はこれが主流です」

解説/永井延宏

1969年生まれ。渡米しミニツアーを回りながら最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後多くのプロ・アマを指導。06年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

昨今、スウィングの仕組みが変わってきています。従来型は体の中に軸を作り“二重振り子”のような動きで打っていましたが、最近は右サイドの回転を主体にして、左サイドは右軸に対して外側から力(外力)を加える感じで打ちます。「左サイドで引っ張り続ける」という表現が合います。「左手リード」と言うと、左サイドを止めてクラブを引っ張るイメージに。するとフォローでクラブが体から離れていき、放り投げるような動きになり効率がよくない。トップの位置から手を動かさずに体で引っ張ってくる感じで左サイドは動いてもいいんです。僕たちが「ネオ・スウィング」と呼ぶ動きです。


また、大型ヘッドになりクラブの使い方が変わった。従来の振り子的な動きのなかで右手を使うと、クラブヘッドがターンする動きが出る。だから、小手先でフェースローテーションするなど細かい操作が必要でした。今は右サイドを軸としたトルクと、クラブはテニスラケットのように使っていきます。右サイドの軸に合わせて、テニスのボレーのような使い方をすると、ヘッドが回転せずにフォロースルーに向かいます。

「右サイドの軸に合わせてボレーを打つ動きです」

松山英樹もネオに進化していると永井プロ。「右サイドの軸に合わせてボレーを打つような動きができると、フェースが完全に開き切ったようなフォローになる。小手先で動く感覚をなくし、肩関節で動くようにしましょう」

ただ、ボールが当たる“フェース面感覚”と自分の体のなかの感覚が一致する部分を見つけることは大事。右手のひらでイメージするのか、左手の甲でイメージするのか、左腕の側面で感じるのか。個人の工夫や感覚でいい。グリップにも関係していて、ストロングで握る人は右手で面を作る意識だとヘッドが返る。逆にウィークで握る人は右手の意識が必要です。

改めて今回の質問には、今は右主体だと答えます。右サイドと右手の正しい使い方を覚えたほうがいい。小さいショットで右手の感覚をつかむ練習を(下写真)。片手打ち練習もよいですが、手が痛くなるのは間違った動きなので要注意。手先をロックしクラブのうねりが消えた状態で上腕で動く。これも小さな動きから始めましょう。

5時>6時>5時で練習を!

右の感覚をつかむための2、3Yショット練習。「上腕を垂らすと右ももの前にくる。そこが6時の位置。5時でアドレスし、6時に始動、そこから体のトルクを使いながら5時でインパクトです」

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より