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【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol.6 “小さなスウィング”が通用しないライもある

大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行を開始した。練習ラウンドの予定を急きょ対決方式に変更しスタッフを慌てさせる大畑大介46歳、真夏の大冒険中!

ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース

前回のお話はこちら

青木翔コーチのラウンドレッスン。その目的は「ゴルフ偏差値を上げること」って言っとった。“ヘンサチ”なんて言葉を聞いたのは学生の頃以来や。
そんなこと言うとスポーツバカだって思われるけど、実は勉強も得意(やった)。中学2年までは成績だって結構上のほう。1番じゃなきゃ嫌だから、負けるものかってやり込んだりしてたけど、やっぱり得意なやつにはかなわなかったから、ラグビーにシフトした。
大学の頃もムズカシイ論文形式の問題をバッチリ答えて「大畑クンは学業も優秀でね」なんて、担当の先生が方々で褒めまくってくれた。でも先生、実はたまたま丸暗記したヤマが当たっただけ……。ただ実際のところ、ヤマを張るってめっちゃ大事。だって、いきなり全部を完璧になんてできないでしょ。本番の対決で対策したヤマが外れないように、今のうちにいろいろ仕込んどかねば。待ってろ上原!


小さなスウィングで
アプローチもキレキレ

クラブの本数を半分にしてラウンドすることで、半端な距離の対応力アップを目指す大畑。早速、大きな番手で距離を落とすワザを身につけ順調に見えたが……。

大畑 スタンス幅や振り幅を小さくすれば、力加減を変えなくても距離の打ち分けはバッチリや。

青木 早くも課題クリアですね。

大畑 なんで、そんなに面白くなさそうなの?

青木 そりゃ、言ったそばから何でもできちゃったら、僕の役目ないから。

大畑 それでふてくされてるのか。青木コーチも可愛いとこあるね。

上機嫌の大畑はグリーン手前80ヤードというなんとも難しい距離を、覚えたばかりの“小さなスウィング”で見事に寄せてみせた。

青木 本当にマスターしてる……。

大畑 そりゃそうやろ。一度覚えたことは、かじりついてでも忘れないようにせんとね。

青木 番手間の距離の調節ができれば、100ヤード以内の微妙な距離の打ち分けもできるようになってきます。あとはスタンスと振り幅を小さくする度合いと、自分のイメージしている距離感を合わせていけばOKです。


法面では使えない
小さなスウィング

続くパー5。右ドッグレッグのコースをショートカットしようとした大畑。欲張りすぎて右の法面(のりめん)にボールがつかまってしまった。

大畑 あと10ヤード前に飛んでいれば、フェアウェイにターンッて転がってったのに!

青木 ちょっと攻めすぎましたね。セカンドはつま先上がりの傾斜がきついので、アイアンで120ヤードくらい打って刻みましょう。

大畑 いやいや、パー5の2打目といえばウッドでしょ。グリーンまでできるだけ近づけたる。

青木 この傾斜の角度では無理です。フェースに当てる難易度が高いし、当たってもボールが上がらないのでまたラフにつかまってしまいます。

大畑 でもオレには“小さなスウィング”という武器がある。小さく構えて、短く持って、コンパクトに振れば……。

「パー5の2打目といえばウッドでしょ。俺には“小さなスナック”ならぬ“小さなスウィング”があるからな」と自信満々の様子からの「やってもうたー。これが出んねん」(大畑)。よく見る光景だ。

青木コーチの助言をスルーしてウッドを振り回した大畑だったが、案の定(?)、ヘッドはボールにかすっただけ。1ヤードだけポコッとはねてまた傾斜に止まってしまった。

大畑 くそー! かなりコンパクトに振ったのに。

青木 確かにコンパクトには振れてました。でもウッドで打てる限界を超えた角度でしたから……。

大畑 でも、もし、例えば、仮に、どうしてもここからウッドを使うなら何に気をつければよかった?

青木 多分、何に気をつけてもダメです(笑)。僕でも同じ結果になったはず。

大畑 世の中にはどうにもならんライが存在するってことか。

青木 それがわかったのが収穫ですね。確かに林の中など、スウィングを小さくしてウッドを使う場面はあります。どんな状況なら使えるのか、それを会得していきましょう。

大畑 なんでもヤマカンで振り回したら痛い目見るってことやね。

青木 おぉ、なんか大人になってる!

大畑 シン・オオハタですから(ドヤ)。

「小さなスウィングはマスターしたけど、これがどこでも使えるわけじゃないんやな」(大畑)

次回、ラウンドレッスン最終回。大畑がさらなる進化を見せる!

【今週のバージョンアップ】
“自分の武器”に固執しない。
ライに応じて臨機応変

令和の武蔵になる

オオハタダイスケ

大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ

迎え撃つは

ウエハラコウジ

上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より

CS放送のGAORAでは「大畑大介×青木翔 レッツトライゴルフ! ~待ってろ上原~」がオンエア中(火曜日23時30分~23時45分 ※再放送あり)