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【ゴルフ野性塾】Vol.1738「得意クラブがゴルフを強くする」

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

前回のお話はこちら

女房は眠る。私は本稿

ファックス送稿した後、風の大地の原作執筆に入ります。
今日6月16日、木曜日。現在時午前8時35分。
長男雅樹は6月22、23日の2日間、北海道千歳近くの苫小牧ゴルフリゾート72エミナで行われる全国大学ゴルフ部対抗戦に出場する大手前大学男女ゴルフ部員指導の為、13日の月曜日から神戸に移動した。そして今日16日、関空から千歳へと部員12名と共に移動する。
この3年間、男子部員の全国大学出場は叶わなかった。
部員数が足りずに、1部リーグから2部リーグに落ちた。
全国大会に行くのは女子部員ばかりだった。
やっと男女揃っての全国大会出場である。
現在の男子部員は19名。
女子部員は16名のゴルフ部員総数35名。
男子も女子も4年生は1人。
この3年間、女子は6名と少ない人数でも関西1部リーグに勝って全国大会出場して来たが、男子は12名必要の時、10名しかいなくて、全国大会出場どころか1部リーグ落ちも経験した。
エミナで目指すは男女共5位以内。監督の雅樹は、男子は10位以内、女子は7位以内と言うが、5位以内を目指さずして何を目指すのか。
結果の報告は来週6月23日木曜日執筆の稿にて出来ます。
男子も女子も東北福祉が強い。
今日も薄晴れの朝。この薄晴れが梅雨晴れかと思う。
体調良好です。

アイアン1本練習でダフリは消える。

昔からドライバーよりもアイアンが得意でしたが、50歳を過ぎたころから、頼みの綱のアイアンがダフるようになってきました。持ち球はフェードです。なぜか自分がイメージしたところにヘッドが下りてきません。ラウンド中に突然ダフリが出ると、ダフリを警戒しすぎてトップが出ることもあります。かつてのアイアンショットを取り戻すいい方法はありませんか。(東京都・久保宏尚・57歳・ゴルフ歴30年・HC8)


上級の方程、自信を多く持ち、ゴルフ歴浅き方は疑心強く持ちて球を打たれていると思う。
練習は正直だ。
自信持ちて球を打ちたければ練習球の数は必要だろう。
自信と疑心は1本の棒の上に位置すると考えて来た。
支点が真ん中にある1メートルの真っ直ぐの棒に同じ重たさの自信と疑心置いた時、棒のどちらかの端に2つを置くとバランスは崩れるであろう。
自信と疑心、端と端に位置する事は少ない。
ゴルフ始めたばかりの方程、自信と疑心の位置は支点の下にあり、練習と練習の生む結果で自信と疑心の位置は変り行くと思う。
ジュニア塾生と進化論塾生を指導して来た私の経験で申すが、空から自信は存在したが空疑心は存在しなかった。自信と疑心、いずれが正直かと申せば疑心だった。
1本の棒はシーソーである。
端に座った方が地面の蹴りは強まり、リズムも生まれ、力の効率も高まるであろう。
支点近くの位置だと蹴りのリズムは維持し難いものだ。

結論を申す。
リズムで球を打つには自信が要る。疑心強き時のリズムは乱れを生む。
シーソーは端に座るが最善。
疲れもなく、面白い。シーソー遊びも長続きする。
ゴルフクラブ14本の中で最も自信生むのはアプローチである。
熊本ジュニア塾を開塾したのは今より29年前の平成5年だったが、アプローチが一番の自信生むと教えた。
塾1期生の中で一番アプローチ練習したのは古閑美保だった。
上田桃子の練習量も多かった。
人の世に卵が先か、鶏が先かの論は多い。
ただ、ゴルフは得意なクラブ作り目指すべきと考える。
14本全部の練習ではなく、1本のクラブの練習だ。
そして、競技ゴルフに入って行けばアプローチ練習に精出すべきである。それの出来た子はプロになった。
長いものの練習好きな子はティーショットかセカンドショット迄のゴルフで終っている。
塾出身者でプロテスト通った者は95名。私は塾生だけの指導はしなかった。懇(こ)われて塾生以外の者も指導したが、15名がプロになっている。
合せて110名の者がプロゴルファーになっており、これから先もプロになる者は増えると思うが、本人の夢、家族の夢をゴルフで見る事出来るは幸せであったと思う。

私は24歳でゴルフを始め、27歳でプロテストに通り、すぐのツアー参戦に入ったが、プロゴルファーを目指した時は22歳になっていた。ただ、22歳でゴルフ場の研修生になるつもりはなかった。
私は東洋史を学びたくて大学に入ったが、その頃から心・技・体の語呂の良さには疑問を持っていた。現実は体・技・心の筈と考えた。
そして、研修生になるには基礎体力と筋力必要と考え、陸上自衛隊に入った。
私は国の金で研修生の基礎体力と筋力を作らせて貰おうと考えた不届き者である。
そして2年の任期満了の後、24歳で栃木県の鹿沼CCに入った。
1年の研修生勤務の後、愛知県の貞宝CCに移籍し、貞宝でプロテストに通った。
そして、鹿沼に戻り、2年後、周防灘に移り、周防灘を離れて現在は所属コースなしで過す。

スポーツは体・技・心と思う。
心・技・体と較べた時の語呂の悪さはあるが、体・技・心の思考をジュニア塾生にも進化論塾生にも大手前大学ゴルフ部員にも与えて来た。だから私の指導はきつかったと思う。進化論塾生にあってもだ。
心・技・体思考に慣れた人は心に逃げ、技に逃げるを習性としていた。心が弱いからプレッシャーを強く受け、プレッシャーを己の武器とする事出来ないの発想だった。
プレッシャーのない生き様、あるのだろうか。
好きもあれば嫌いもあり、得意もあれば不得手もあり、相性の良さ、運の良さもあれば、相性の悪さ、運の悪さもあるのが人の世と思う。そして、常にプレッシャーは存在する。
ゴルフに於てはアプローチ練習が自信を与える。
私は3メートルをオーバーに打てなかった者である。常にカップの手前で止まっていた。
恐怖が先に来た。
プレッシャーは恐怖ではない。
プレッシャーはミスへの重圧心だ。
私はグリーン上の恐怖で失敗した者である。入れたいとゆう過度の己への希望が恐怖を強めていた。3パットを怖れた。怖れるものを間違えた。

貴兄も怖れるものを間違えている様に思う。
ダフリを怖れている。
私が3メートル以上の距離の3パットを怖れ、結果、3パットは少なかったが、1パットなしの刻みパットゴルフで終ったのと同様の方向へ向っておられる様じゃある。
事は単純がいい。
複雑は悪癖を生む。
体・技・心の悪癖を生む。
貴兄はまだ技の悪癖と出会う前の方。
7アイアンから9アイアンの間の1本のクラブで集中練習を勧めます。アイアンではあっても、ティーアップされた球を打って貰いたい。
まだ、貴兄のシーソーの自信と疑心の位置は変えられる位置だと思う。
1本のクラブで得意を作れ。
ゴルフ歴30年、そしてハンディ8の技量は充分なる球を打って来られた歴史をお持ちの方である。このクラブの技量はハンディ3の技量と自負出来る練習をやって貰いたい。
変化の先に進化在りだ。
57歳の今、新たな変化に挑む時であろう。
ただ、コロナはまだ終わってはいない。御自愛ありての練習場通いは必要でありましょう。
以上です。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月5日号より