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【失敗しないロブショット】<後編>ヘッドを“走らせない”! これが距離感を出すコツ

ロブショットでは、球を上げようとして極端な構えを取ってしまうとミスになりやすいと日下部光隆プロ。ここからは、ロブショットでしっかり距離感を出していくためのスウィングのポイントについて聞いていく。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/富士CC

解説/日下部光隆
1968年生まれ。ショートゲームの名手として名を馳せ、レギュラーツアー3勝。07年、都内に「WASSゴルフスタジオ」をオープンし、現在はシニアツアーにも挑戦中

>>失敗しないアドレスのポイントとは?

ムリにヘッドを走らせない

ロブショットは、スウィングに関しても“保険”をかけることが大事だと日下部。

「私はロブショットでもヘッドを走らせません。ヘッドを走らせたほうが球は上がりますが、ダルマ落としやトップしたときのリスクが激増します。バックスウィングで少しだけコックしたのをフォローまでキープして振り切るイメージですね。フェースは意識して返しませんが、自然と若干のローテーションが入る。アドレス時よりも開きながら打つことはありません」

日下部プロは、球を上げるポイントとして、バックスウィングよりもフォローを大きく取ることを挙げる。

「4対6くらいでフォローが大きくなるように振ると、自然と軌道がアッパー気味になり、球が上がります。このとき、下半身を止めてしまうと体が回りにくくなるので、ダウンスウィング以降、右ひざを少し左ひざに寄せるように送ってください」


スウィング軌道はスタンスとターゲットラインの間くらい。体に対しては少しだけインサイド・アウト、目標に対してはわずかにカットになるくらいの軌道をイメージしよう。

Point 1
始動で作ったコックをほどかずに振り抜く感覚

バックスウィングの始動で少し手首のコックを入れ、そのまま手首をほどかずに振り抜く感覚。フェースは自然なローテーションが入る。アドレスよりも開いて当たるのは絶対NG

ヘッドを走らせようとして手首を返すと大きなミスになるので要注意

Point 2
右ひざを少し寄せながら振る

右脚をロックしてヘッドを走らせロブを打つ人もいるが、右脚を自然に送ったほうが体が回りやすくミスが少ないと日下部プロ。右ひざを左ひざに少し寄せる感じだ

Point 3
スタンスと目標の間くらいに振っていく

スウィング軌道は極端にカットにせず、スタンスとターゲットラインの間くらいのイメージ。ターゲットよりは少し左に振るが、体に対してはわずかにインサイド・アウトになるくらいが理想

日下部プロのロブショット
「4:6でフォローが大きくなるように振る」

バックスウィングは低めに、フォローを大きく高く振っていく。手首はあまり使わず、ヘッドを走らせすぎないのがポイント

スーパーロブを打つ場合は…
「ドライバー並みのフルスウィング」

なかなか使う機会はないが、通常のロブよりもさらに高さを出して止めたいときに使うスーパーロブ。通常のロブの際の“保険”をすべて取っ払って、フェースもスタンスも極端にオープンにして“飛ばない”状態を作りつつ、ドライバー並みのフルスウィングでヘッドを走らせ、高さを出していく

フェースに球が乗る感覚を体で覚えよう

では最後に、距離感の出るロブを身につけるためには普段どんな練習をすればいいのか。

「フェースにボールを乗せて運ぶ感覚を養うのには、小さな振り幅で練習するのが効果的です。極小のバックスウィングから大きなフォローで、5~10ヤード飛ばす練習をしてください」

ダルマ落としが多い人は、フェースを開いた構えから“左に飛ばす”練習も効果的。

「ダルマ落としになる人はフェースを開きながらインパクトしています。ロブショットといえども多少のフェースローテーションは必要ですから、球をつかまえる感覚を養うこともとても重要なんです」

しかし、最終的には芝の上からいろいろ工夫しながらロブショットをたくさん打ち、経験値を高めることが必須。芝の上から打てる練習環境があるときは、どんどん試してみることがロブ習得のいちばんの近道だ。

Drill
小さなトップから大きなフォロー

手元が右太もも前くらいの小さなバックスウィングから、手元が肩まで上がるくらいの大きなフォローで、5~10ヤードのミニロブを打つ。フェースに球が乗る感覚がわかってくる

ダルマ落としになりやすい人はこちら
フェースを開いて球を左に飛ばす

フェースを開いた構えからボールを左に飛ばす練習。クローズスタンスで構え、思い切ってフェースを閉じながらスタンスよりも左に球を飛ばすことで、球をつかまえる基本感覚を体にしみこませる

ダルマ落としになる人は、手元が浮いてフェースが開いており、必要最低限のフェースローテーションが不足しているケースが多い

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月14日号より