【ゴルフの急所】Vol.17「寺西流“ライン読み”の基本原則」
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC ILLUST/Sadahiro Abiko
ラインが全然読めません。思ったよりも曲がったり、自分が考えたラインと逆に曲がったり……。正確にラインが読めるようになる方法を教えてください。(原和也さん、59歳、HC17)
まずは大きな傾斜をつかむ
まず、ラインを読むうえで考えるべきは、「グリーンの上を水がどう流れるか」ということです。基本的に、ボールは高いほうから低いほうへと転がるのですから、水の流れを考えれば、ラインというのは自ずと明らかになってくるわけです。
そこでやってもらいたいのが、グリーンのどこが高いのか、どこが低いのかをチェックすることです。それがわかればグリーン全体の大きな傾斜が見えてくるので、ラインを逆に読むようなミスは減らせるでしょう。
ただし、そういうグリーンの起伏というのは、グリーンに乗ってからでは見えにくいので注意します。グリーン手前のなるべく低いところから、姿勢を低くして見る。そうすることで、グリーンの起伏は確認しやすくなるのです。
セルフプレーをしていると、カートに乗ってグリーン奥からグリーンに入ってしまうことがあるかもしれません。でも、ライン読みに強くなりたいのであれば、なるべく手前からグリーンに入り、グリーンに乗る前に起伏をチェックしておく。そういうクセをつけることが大切だと思います。
グリーンの起伏を確認して、全体の傾斜がどうなっているかを把握したら、カップのどこがいちばん低いのかを判断します。それとボールの位置さえわかれば、そのラインがフックなのかスライスなのか、上りなのか下りなのかが見えてくるからです。
STEP1
グリーン全体の傾斜を判断する
STEP2
カップのどの部分がいちばん低いのかを判断
また、ライン読みが苦手な人は、自分のアプローチだけでなく、同伴競技者がアプローチやロングパットを打ったとき、球がどう曲がってどう止まるのかをよく見ておくとよいでしょう。
ボクのライン読みの手順は、なるべく姿勢を低くするのが基本。グリーンの起伏同様、姿勢を高くしていると傾斜が見えにくくなってしまうので注意してください。
さて、ここまでライン読みの基本的な心得についてお話ししてきましたが、ボクがラインを読むときに大事にしていることがこのほかにいくつかあります。しかし、残念ながら誌面が残り少ないので、それについては次回詳しく説明することにしましょう。
寺西プロのルーティン
(1)まず、ボールの後ろからラインを読む
(2)カップに向かって歩きながら、ラインを横から見て、上り下りの度合いを確認する
(3)カップ周りの傾斜をチェックしながら、カップの後ろからもラインを見る
(4)再度、ボールの後ろからどんな強さでどこに打ち出し、どんなラインで入れるかを決める
(5)ボールの前後にスパットを見つけ、そこにイメージした強さで球を打ち出す
月刊ゴルフダイジェスト2022年7月号より