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【“縦の力”で飛ばそう!】<後編>切り返しで“踏める”ようになる3つのステップ

飛距離を伸ばすには、「縦方向の力」を上手く使うことが大事だと石井忍コーチは言う。では、どうすれば縦方向の力を使えるようになるのか。さらに詳しく教えてもらおう。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/グラファイトデザイン・テストセンター

解説/石井忍

ツアープロからアマチュアゴルファーまで幅広く指導するプロコーチ。自身のスタジオ「エースゴルフクラブ」に、地面の力を可視化できる機器「スウィングカタリスト」を導入

>>縦方向の力を使えない原因とは?

3つのステップで
“踏める”切り返しが手に入る

「なぜ踏めないか」がわかったら、次は前段階のエラー動作を修正する段階へ入ろう。

「実は、原因のほとんどはアドレスと始動にあります。まずは骨盤の前傾をしっかり作り、クラブを引っぱるように動くことが大事。スウェイ自体は悪くありませんが、右ひざが流れすぎると回転が制御されるので、体重移動はスタンス幅の範囲で行いたいです」(石井)

決して縦の力だけが必要というわけではなく、前回挙げた3つの力が順番どおりにバランスよく発揮されるのが理想。この順番が狂ったり、一部しか使えていないことが問題だという。


「脚を正しく使えるようになれば、自然と出力の順序が整い、スウィングスピードも上がります。ただ、上半身のポジションが悪いと曲がりやすくもなるので、これを機に自分のスウィングを見つめ直すのも良いかもしれません」

以下の3ステップは、“踏めない形”を解消するための、まさに“キモ”となる。しっかりここで身につけてほしい。

STEP 1
アドレスで骨盤を前傾させる

まずはアドレスでしっかり骨盤を前傾させることが大事。骨盤が前傾することで、スウィング中、上体が起きづらくなり、自然と踏む形が整う。シャフトを腰に当て、後ろへ押し出すように力を加えてアドレスしてみよう

STEP 2
始動でクラブを体がリード

始動でクラブヘッドから動き出すのは禁物。お腹がグリップエンドを引っ張るように動き出してみよう。「ハーフウェイバックくらいまで、グリップエンドがおへそを指し、そこから地面を指すように上げるのが理想です」

STEP 3
右脚の角度をキープしてテークバック

大きくスウェイすると回転に制限がかかりやすく、理想的な「横>回転>縦」という運動の順序が崩れてしまう。アドレス時に作られた右脚の角度をトップまでキープして回ることで、横方向への移動はスタンス幅におさまる

【力を発生させる「順序」が大事】
切り返しで左つま先を踏む>横方向の力が発生>回転の力が発生>蹴る力が発生

縦の力を引き出すためには横や回転の力も不可欠。「正しいポジションから左つま先に踏み出すことで、横>回転>縦と出力され、効率よくヘッドを走らせることができるようになります」

左脚の曲げ伸ばしだけで打ってみよう

“踏める”形を理解したら、仕上げはそれを実打につなげる作業。理想の脚使いを最も簡単に体感でき、身につけられるドリルがこちらだ。

「手に頼らずに、左脚の曲げ伸ばしだけで打ってみてください。まずは7番アイアンでハーフショットから。ハーフショットで100ヤードくらい飛ばせたら、縦の力が球に乗っている証拠です」

ボール位置は左つま先の前か少し外(左)。ほとんどの体重を左にかけ、右は体重を支えるにとどめ、振り幅は腰から肩。少し踏み込んで回転したのち左脚を伸ばしながら打つことで、踏んで伸びる力が回転に変換される。

「大事なのは右手を使わないこと。右手首の角度を変えず、脚の曲げ伸ばしと体の回転だけで打ってください。早い人だと1時間程度でヘッド速度が1〜2m/s上がりますよ」

Drill
右手首の角度を保ったまま脚の曲げ伸ばしだけで打つ

手で速く振ろうとするのではなく、あくまでもスウィングの主体は左脚の曲げ伸ばし。右手首の角度を崩さないように気をつけて、曲げ伸ばしと回転だけで球をつかまえてみよう

正しい動きを動画でチェック!

打つのが難しい人は…
テニスのボレーの動きを連続してやってみよう

脚の曲げ伸ばしだけで球を打つのが難しい人は、まずこちらのドリルから。「私のレッスンでは必ずこれをやっています。右腕の角度を維持したまま、テニスのボレーのように体を回してください」

週刊ゴルフダイジェスト2022年5月3日号より