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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.13「ひざ立ち打ちでシャフトの逆しなりを体感!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

母校、明徳義塾高校といえばゴルフ部! と言いたいところだが、残念ながらゴルフ部よりも野球部のほうが100倍有名だ。今回は、その野球部の友人からヒントを得た、とっておきの練習法をご紹介したい。

高校2年のある日、ひざ立ちでティーバッティングを行っている野球部員を見て、ボクは思った。「うへ……辛そう。いったい何の練習だろう?」 

次の日、本人に聞くと『バットを逆しなりさせてボールをとらえる練習』だと教えてくれた。

むむ。逆しなりとはなんぞや? 俄然興味が湧いたボクは、さらに詳しく聞いてみた。すると、ボールを遠くに飛ばすには、バットのしなりを使うことが重要だが、自分から見てCの字にしならせるのではなく、逆Cの字にしならせるほうが、バットの先が走り、効率よく球が飛ばせる、というような答えが返ってきた。彼は小学生の頃からこの練習をやっていて、そのせいか、細身のわりに飛ばし屋で、明徳義塾でも3番か4番を打っていた。

なるほど~。ボクはさっそくゴルフに応用してみた。同じように、両ひざをつきドライバーでスウィングした。ゴルフの場合、ボールをトスしてくれる人がいないので、ティーアップしたボールを打ったのだが、1球目は見事に大ダフリ。5球目でようやくチョロ、10球目で初めて“そこそこ”打てた。

友人の言うとおりだった。ひざ立ち打ちでは、シャフトを(自分から見て)Cの字にしならせようとしたのでは、絶対に当たらないことを実感した。つまり、腰を開いたり、タメを作ったりする打ち方はNG。当てるための絶対条件は、手元よりヘッドが前にあること。つまり下半身を踏ん張り、シャフトを逆Cの字にしならせることなのだ。しならせるといっても力はいらない。というか、むしろ力を使わず、ヘッドを上からポーンと当てるだけでOK。そうすれば、体の正面で勝手にシャフトが逆しなりし、ヘッドが走ってくれる。これが、逆しなりの神髄なのだ。

腰を開いたり手元を先行させるのではなく、体の正面でヘッドをポーンと当てる感覚で振ると、シャフトを逆しなりさせることができ、ひざ立ちでも上手く打つことができる

ボクは最初、野球部の練習を見たとき、ひざが痛いのでは? と思ったが、実際はちっとも痛くない(もともとひざの故障を抱えている場合は別として)。もし、痛いと感じたら、腰を回転させたり、右足を左足に寄せたりしようとして、ひざが動いてしまっている証拠。だとすると、ボールを体の正面でとらえられないので、ボールは飛ばない。

ボクはこの練習が大変気に入り、以来、毎日のように行った。今はさらに進化して、バランスディスクを2個用意し、その上にひざを乗せ、つま先を浮かせて打つこともある。

練習場で試すのは恥ずかしいという人は、タオルをひざ立ちで振ってみるのもいいだろう。これなら家でできる。端っこを結び、ポーンと結び目を飛ばすイメージで振ってみると「ヘッドってこうやって走らせるんだな」っていうのがわかるだろう。振ってるわりに飛ばない、という人は、やってみてほしい。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年12月27日・1月3日合併号より