【ブライソン・デシャンボー】たった1年でスウィングも体も激変。ワイドスタンスでタメが生まれた、今季のスウィングとは?
劇的な飛距離アップの裏には、肉体改造によって得たパワーとそれを生かすためのスウィング改造があった。井上透プロコーチに解説してもらった。
ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau)1993年生まれ。米国出身。2015年全米アマ優勝、2016マスターズローアマなどアマ時代から注目をあびる。
クリス・コモとともに
スウィング改造した
【Before/右】2019年3月 メキシコ選手権のスウィング
2019年平均飛距離302.5㍎(34位タイ)
【After/左】2020年3月 メキシコ選手権のスウィング
2020年平均飛距離321.3㍎(1位)
※2020年の平均飛距離は3月のアーノルドパーマーインビテーショナル時点のデータです。
切り返し時のねん転が
飛距離アップを生む
B・デシャンボーといえば、方向性と再現性が群を抜いているイメージが強いですが、今年は大幅な筋力アップとこれを生かすためのスウィング改造により、飛距離という武器も手に入れました。
パット見てわかるように、デシャンボーの体は昨年よりもはるかに大きくなっています。そのパワーを生かすために、コーチであるクリス・コモとともにスウィングを仕上げたんです。
改造によって一番変わったのが、スタンス幅を広くし、切り返しの直前から左足で地面に向かって踏み込んでいること。この動きを取り入れることで、下半身が先に始動し、上半身が遅れてくることで、大きなねん転差が生まれ、飛ばすために必須となるタメができます。
そこから左のお尻を引くように回転していくことでクラブに強い遠心力を与え、タメを一気に解放します。以前はワンプレーンで振っていたのですが、タメが生まれたことで、ダウンスウィングでクラブが以前よりシャロ―に折りてきて、完全なワンプレーンではなくなりました。
【体を鍛えたメリットは?】
→左への踏み込みが強くなる
下のチカラが増すとより上のチカラも強くなる
左に踏み込む力が増すことで、下から上への連動ができ、上半身の力を最大限に引き出すことができる。
【2019】
軸を保ってその場で回転
【アドレス~トップ】
左脚とクラブを一体化させ、ノーコックで上げコンパクトなトップを作り出す
【トップ~ダウンスウィング】
左脚を伸ばしたままアームローテーションを抑えアドレス時の状態に戻るように下ろす
【ダウンスウィング~インパクト】
体の回転と一緒にクラブが下りてくるため、タメが少なく、クラブが寝ずに下りてくる
【インパクト~フォロー】
体重移動や軸の移動が少なく、その場で回転していくことで、方向性と再現性が上がる
【2020年】
下半身を大きく使って飛ばす
【アドレス~トップ】
地面つかむようにどっしりとしたワイドスタンスで、横への体重移動をしやすくする
【トップ~ダウンスウィング】
切り返し直前から左足で踏み込むことで、クラブが遅れ自然と大きなタメが生まれる
【ダウンスウィング~インパクト】
手首の屈曲角(タメ)を一気に解放することで力強いインパクトが生まれる
【インパクト~フォロー】
回転動作を入れるとともに、左脚を伸ばしていくことで、地面の反力を使うことができる
PHOTO/Tadashi Anezaki
月刊ゴルフダイジェスト6月号より
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