【ゴルフジム】「アイアンでトップや右に出ることが多い。原因はなんですか?」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「アイアンでトップが出る」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/江連忠ゴルフスタジオ(ETGS)千葉校
教える人/内海大祐
うつみだいすけ。76年生まれ、茨城県出身。その人の体格や筋力などに応じた、理にかなったスウィング構築を目指す指導に定評がある。江連忠ゴルフスタジオ(ETGS)千葉校エグゼクティブインストラクター
<今週のお悩み>
「短いアイアンほど
トップする傾向があります」
●仲村一朗さん(57歳/身長170cm/ゴルフ歴30年/ベストスコア74/平均スコア90)
インパクト前に顔がやや早く上がるのが気になるところ。体重が右に残り気味なので、そのままでは「ダフる」と体が察知して、顔を上げて調節している可能性が高い。また、腕の動きに対して、体幹部の回転が少ない
仲村 アイアンがトップしたり、開いて右に出たりすることが多いです。短いアイアンでもトップします。
内海 ちょっと顔が早く上がって、全体的に伸び上がっているのが気になりますね。伸び上がるとフェースは開きやすいので、トップしなかったとしても右に出やすいです。
仲村 大事な場面ほど右に出るから困るんです。
内海 仲村さんの場合、伸び上がりの原因はテークバックにあります。クラブが地面と平行になるあたりまで体幹がほとんど回らずに、腕だけで上げているので、トップでも体が回転不足になっています。そうなると、ダウンスウィングで手を下ろすスペースが狭くなるので、上体を起こすしかなくなるんです。
仲村 なるほど。
腕の動きと体の回転のバランスが悪いです
内海 始動のときに、最初にベルトのバックルを後ろに向けるイメージで、体幹からスタートすると、トップで十分に体が回ります。「ふところ」が広くなるので、スムーズに手が下ります。それに、きちんと体を回して上げると、下ろすときにも体が回りやすくなりますから、下半身リードで自然なダウンスウィングになるんです。
仲村 確かに、切り返しがスムーズです。
内海 重いボールを両手で持って左右に振ると、絶対に体幹に力が入りますよね? クラブは軽いですけど、重いものを振っているようにイメージすると、ちゃんと体幹が使えて、手打ちになりづらいです。
これで解決!
「スタートから体幹を意識して
体の回転主体で振ろう」
Point 1
ベルトのバックルを後ろに向けて始動
スウィングのスタート時に、まずベルトのバックルを後ろに向けるイメージを持つと、確実に体幹を使ってテークバックでき、手打ちを防止できる
Point 2
重いものを振るイメージでスウィング
Drill 1
腰にクラブを当てて回転
体の前でクラブを両手で持ち、ベルトのラインにあてがった状態で左右に回転する。腰(ベルトのバックル)の向きの変化がよくわかるので、しっかり体を回す感覚が身につく
Drill 2
グリップエンドを腹につけて素振り
手をインに引きすぎると、体をしっかり回しても「ふところ」は狭まる。クラブを極端に短く持ち、グリップエンドを腹につけて振ると、手を体の正面に保って振る感覚がわかる
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より